震えたり動揺したりする心 直しにくいが智慧者は直す

ダンマパダ 33番

震えやすく、動揺しやすく
守り難く、制し難い心を
智慧者は直す
矢を作る人が矢を直すように



○この詩から学ぶこと

 この33番の詩から43番の詩まで、ダンマパダの「第3心の章」になります。仏教の中心テーマは「心」です。これからしばらく心を研究することになります。仏教では研究といっても、必ず実践があります。理論と実践がワン・セットになっています。ですから、理論なしの実践もないのです。33番の詩もその通りになっています。先ず、心のいくつかの性質が述べられていて、その心を直すべきことが述べられているのです。

 心の章の始めに、この詩の前提になる心に関する二、三の知識を述べておきましょう。仏教は生命は、色(身体)、受(感覚)、想(概念)、行(衝動)、識(認識)の五つの要素で構成されていると考えます。この内の受、想、行、識の四つを「広い意味の心」です。「狭い意味の心」は「識」であります。

 「狭い意味の心」は「識(認識)」ですが、これは知る機能なのです。心の本質は知る機能なのです。しかし、心は「受、想、行、識」が同時に働いています。生命を身体(色)、心(受、想、行、識)と分析しましたが、心を含んでいる時、物体は生命と呼ぶのです。

 では、33番の詩の説明をします。「震えやすく」は心はいつも震えているのです。何か怯えているのです。生きたいという渇愛のある生命は、そのために怯えています。自分自身の心を観察すれば、分かると思いますが、分からない人はネズミやスズメなど小動物の動きを観察すれば分かると思います。彼らは休むことなく動いています。彼らはいつも警戒し、怯えているのです。

 「動揺しやすく」は、これは自分の心を観察すればよく分かります。一度決めたことでも、人に何か言われたりすれば自分の考えは動揺します。頑固に自分の考え方を変えない人は、心では動揺しないように抑えているのです。この人は一倍心では動揺している可能性があります。

 心は「守り難く、制し難い」とは、心は眼(形、色)、耳(音)、鼻(香り)、舌(味)、身(触)、意(思考、記憶)などからの情報で、震えや動揺します。これらの情報を制御するのが難しいということです。

 また、智慧者は、「 震えやすい、 動揺しやすい」のは心が曲がっているためであることも知っています。心の曲がりとは、心にある欲や怒りや無知なのです。ですから、智慧者は「矢を作る人」が曲がった矢を真直ぐにするように、心から欲や怒りや無知などをなくし、心の曲がりを直すのです。

○震えたり動揺したりする心 直しにくいが智慧者は直す

~私は幸せでありますように~
~私の親しい人々が幸せでありますように~
~生きとし生けるものが幸せでありますように~

この記事へのコメント

2009年01月19日 05:21
ワンギーサさん、おはようございます。マンションなどに住んでいると、今日の詩の意味を嫌というほど痛感致します。過剰なセキュリティです。防犯カメラを5台設置すると、それでは不安なので10台に増やす。更にはあらゆるところに設置しようとしたりする。怯えです。一方、他のマンションで事件が起こると動揺してしまい、全住戸のキーを二重ロックにしたりして生活しずらくなる。しかし、それでも不安は払拭されず、対策を講じているようですが、絶対安住の場所などいくら探してもありません。外の世界をいじくり回したところで心の安らぎはなく、それを求めるなら、心の曲がりを治すしかない。まさにその通りであると思います。心の曲がりの治し方が仏教なのですね。有難うございました。
2009年01月19日 08:03
 ワンギーサさん、新さん、おはようございます。
「隣の図が無いね。どうなっているの」と友人に言われます。
「考えていなかった。隣との関係がわからない。考える必要があるな。図を書いてみるよ。」と、気づき、動揺、意欲が、現れますね。
身の丈修行者
2015年03月25日 07:19
ワンギーサ長老の分かり易い本文・解説の「心から欲や怒りや無知などをなくし、心の曲がりを直す・・」大変分かり易いです。
色・受・想・行から識へと繋がって行くように思います。とすると認識はその人の心のレベル?状態で違うものになると想像致します。
精進して心の成長をして参りたいです。

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