多弁者を賢者と言わない穏やかで怨み恐れない人こそ賢者

ダンマパダ 258

多く語るだけでは
賢者ではない
穏やかで恨みない恐れない人こそ
賢者と呼ばれる


○この詩から学ぶこと

 ブッダの詩は深い井戸のようです。智慧の水は汲めども汲み尽くせないのです。この詩について何かを述べても、再読したときには、また再々読したときに、他の重要な意味を発見することになるでしょう。

 前回、私はこの詩の後半の2行を中心に、恐れないこと、無畏について解説しました。なぜ恐れが生まれるのか、恐れの原因は煩悩にあること。煩悩をなくせば、恐れがなくなること。恐れのない人は穏やかで、恨み、怒りのない人であることなどについて述べました。しかし、「多く語る」ということについては少ししか述べてません。

 一方、日本テーラワーダ仏教協会HPのスマナサーラ長老の法話では、前半の2行を中心に、言葉について、言葉とは何か、言葉の使い方、それが仏教とどのような関係があるのか、八正道の正語について詳しく解説されています。

 「多く語るだけでは 賢者ではない」とは、少なく語る方がよいという意味ではないでしょう。もちろん無駄話は、禁止されるべきことではありますが、賢者は正しく多く語る必要があるのではないでしょか。特に、現代では多くのメディアから、人間を不幸にする情報がたれ流されているからです。賢者は何が人間を幸福にする情報で、何が人間を不幸にする情報なのか示すべきではないかと思います。

 例えば、最近あまり話題になっていますので、村上春樹著「1Q84」という小説を読んでみました。この小説は、面白さのベールに包んで、人間を不幸にする情報を、日本人に提供していると思いました。マスコミの口車に乗って、人気があるからと言うだけで評価するのではなく、道理に従っているかを正しく評価すべきです。「1Q84」よりは、NHKの大河ドラマ「天地人」は「義を貫くこと」を教えている点で、高く評価できます。

○前回の「この詩から学ぶこと」

http://76263383.at.webry.info/200808/article_16.html
 多弁の人を賢者とは言わない無畏の人こそ賢者です(どどいつ)

○この詩に関するスマナサーラ長老の法話(日本テーラワーダ仏教協会HPより)

http://www.j-theravada.net/howa/howa150.html
 口から漏れる放射能 ~言葉は注意して使用する道具に過ぎない~

○少しでもブッダの肉声に近づくために(カタカナを3回音読して下さい。)

Na tena paṇḍito hoti,
ナ   テーナ    パンディトー ホーティ
ない  それによって 賢者     では
yāvatā bahu bhāsati;
ヤーワター バフ バーサティ
それだけで 多く 語る
Khemī averī abhayo,
ケーミー アウェーリー アバヨー
安穏な  恨みない   恐れない人
paṇḍito ti pavuccati.
パンディトー ティ パヴッチャティ
賢者      と  呼ばれる


~私は幸せでありますように~
~私の親しい人々が幸せでありますように~
~生きとし生けるものが幸せでありますように~

この記事へのコメント

2009年07月01日 04:36
ワンギーサさん、おはようございます。「IQ84」はマスコミで騒がれてますが読んでません。今日紹介されたスマナサーラ長老の法話は「言葉」についてですが、村上春樹氏も「言葉のプロ」のはずです。問題はその才能で「何を」伝えるか?に尽きると面白います。そこで今日はそんな言葉のプロの言葉から、プロらしいと思った言葉を紹介したいと思います。二つとも三島由紀夫の言葉です。有難うございました。
2009年07月01日 04:45
ところで文体の諸要素は言葉であり、言葉は注意深く独創性を排除している。事物を正確に見、感じとるとは、言葉のギャンブルをやることではなく、言葉の配列を正し、一語一語の意味内容とニュアンスを限定することである。みんながこれと反対のことをやっていた。レンズを磨くことをわすれてただ対象を性急に見ようとするあまり、レンズの曇りを対象の曇りとまちがえ、あるいは故意に歪んだレンズをのぞいて興がったりした。…「新古典派」より
2009年07月01日 04:55
行動はことばで表現できないからこそ行動なのであり、論じても論じても、論じ尽せないからこそ行動なのである。ことはでとらえた行動というものは、煙のように消えていき、そこに何ら痕跡は残らず、また、行動の理論体系を立てるということ自体が、行動家の目からすればすでに滑稽である。どんな行動家も行動理論の体系によって動くものではないことは、スポーツ選手が引退してからスポーツ理論家になるのと同じことであろう。…「行動学入門」より。以上「ロゴスの女神」(三島由紀夫著・山内由紀人編)から。
2009年07月01日 05:12
今日の論題から外れますが先日、「性欲」についてのダンマキャストを聞きました。三島由紀夫は面白いことを述べてます。…「僕はいわゆる美人を見ると、美しいなんて思ったことはありません。ただ欲望を感じるだけです。不美人の方が美という観念からすれば、純粋に美しいかもしれません。何故って、醜い女なら、欲望なしに見ることができますからね」…「女神」より。…個人的にはこのセリフには唸ってしまいました。
pun
2009年07月01日 07:20
 おはようございます。急に思い立って、来年の歌会始に短歌を提出いたしたいと思いました。締め切りは9月30日なので、ぜひ、毎日のようにありがたい短歌を作っていらっしゃるワンギーサさんや、みなさんも挑戦なされたらどうでしょう。テーマは「光」です。

昭和35年歌会始お題「光」
御製(天皇陛下のお歌)
さしのぼる朝日の光へだてなく世を照らさむぞ我がねがひなる

 昭和35年度の昭和天皇のお歌は、仏道にも通じるように思います。生きとし生けるものが幸せでありますように。
あっきん
2009年07月01日 07:51
おはようございます。
美容院に行くと、いつも雑誌を見る。その中で心に引っかかる言葉は”幸せ”だった。髪をカットしてかわいいと人から言ってくれて幸せだとか、ホテルでエステ等癒し幸せだとか・・ 追求すると人間は皆幸せを求めているのだが、他に依存する事で幸せと感じそれは不安定な事ではないだろうかと私的感想。
2009年07月01日 12:27
訪問です。

良かったら私のブログに来てくださいね!

仲良くしてください。

これから、ちょこちょこ遊びにきます!よろしくです
身の丈修行者
2015年05月25日 07:52
前世や神様等目に見えない世界・ご利益等々の甘い話・儲かる話等々の情報が錯綜しているように思います。先日はポストにスピチュリアルカウンセラー?講演会のチラシが入ってました。見えない世界がみえる方?みたいです
そのような・・ではなく、本当に大事な事を教えて下さる賢者は貴重と思います。そこから学び・実践して参りたいです。
またしっかり見極めていける能力も身に着けたいと思います。

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