気づきなく果実求める猿のよう渇愛増やせば輪廻続ける(334)

ダンマパダ 第24章 渇愛 334

気づきのない行ないをする人には
つる草のように渇愛が増える
彼は森で猿が果実を求めるように
この世あの世を輪廻する


○この詩から学ぶこと

 この334番から359番までが第24章渇愛であります。渇愛とは、一般にはあまり使われない言葉ですが、重要な仏教用語です。意味は「のどが渇いて水を求めるような貪りの心」です。釈尊がお悟りになって最初の説法をまとめた「転法輪経」があります。その中で、四聖諦が述べられています。第1が「苦の聖なる真理」、第2が「苦因の聖なる真理」、第3は「苦滅の聖なる真理」、第4は「苦滅に至る聖なる真理」です。この第2の苦の原因が渇愛なのです。この渇愛の章を通じて渇愛が何か具体的に明らかになります。

 さて、この詩では渇愛の核心に触れる事柄が述べられます。すなわち、「気づきのない行いをする」と渇愛が増えると述べられています。渇愛は眼で好ましいと感じると生じます。耳で好ましいと感じると生じます。鼻で好ましいと感じると生じます。舌で好ましいと感じると生じます。身体で好ましいと感じると生じます。意で好ましいと感じられると生じます。ですから、気づきのない行いをすると、眼耳鼻舌身意に現れた渇愛に気づけないないので、渇愛が増えることになるのです。苦の原因の渇愛が増えるので苦が増えることになります。

 渇愛のもう一つの側面は、輪廻を繰り返すエネルギーを作りだしていることです。渇愛は苦の原因でありますが、何度も繰り返す苦である輪廻の原因でもあるのです。感覚で生まれた好ましいという感覚は、さらに欲しいという感覚を生み、更に生きたいという思いを生むのです。この思いにより輪廻することになるのです。それを、森の中で猿があっちこっちの果物を求めて飛びまわっている様子で、輪廻をたとえているのです。

 気づきのある人は、感覚で渇愛が生まれ、渇愛が苦を生み出していることが見えてきます。それが解れば、渇愛を増やすことはしないのです。気づきこそ、苦を取り除く唯一の手段なのです。ヴィパッサナー瞑想はそのための実践です。

○前回の「この詩から学ぶこと」

http://76263383.at.webry.info/200810/article_13.html


○この詩のパーリ語原文

334.
マヌジャッサ パマッタチャーリノー
Manujassa   pamattacārino,
人間の    放逸な 行いをする
タンハー ワッダティ マールワー ヴィヤ
taṇhā    vaḍḍhati   māluvā    viya;
渇愛は  増大する  つる草   のように
ソー プラワティー フラーフラン
So   plavatī     hurāhuraṃ,
彼は 漂う      この世あの世を
パラミッチャンワ    ワナスミ  ワーナロー
phalamicchaṃva    vanasmi   vānaro.
果実を求めるように  森で    猿が

○気づきなく果実求める猿のよう渇愛増やせば輪廻続ける(334)

~生きとし生けるものが幸せでありますように~
~生きとし生けるものの悩み苦しみがなくなりますように~
~生きとし生けるものの願いごとが叶えられますように~
~生きとし生けるものに悟りの光が現れますように~


 
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この記事へのコメント

才木広之
2009年08月20日 22:31
ワンギーサ先生、

こんばんは、理解できました。有難うございます。

特に意図するもの、または意味はないのですが。

つる草って、からみついて、取りにくいですね、無理に取ろうとすれば、腹が立ってみたり。
生えないようにすれば、いつの間にか、からみついているつる草は枯れてしまうんでしょうけどね。

生きとし生けるものが幸せでありますように
2009年08月21日 05:14
ワンギーサさん、おはようございます。私の場合、見たり聞いたりするとどちらかというと「怒り」の衝動がでやすいです。だから「怒り」のグループにいたら大変なことになりかねません。それゆえ「ブッダ」という善友を常にし、「瞑想」への努力が必要となります。「渇愛」撲滅運動に手抜きなしの精神ですね。有難うございました。
身の丈修行者
2015年06月11日 07:32
ワンギーサ長老の分かり易い本文・解説の「気づきのある人は、感覚で渇愛が生まれ、渇愛が苦を生み出していることが見えてきます」心に響きます。
気がついているか・いないかで全く違う印象を感じます。実践して参りたいです。

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