生きものの死と再生をすべて知り涅槃に達した彼はバラモン(419)

ダンマパダ 第26章 バラモン 419、420


生きものの
死と再生をすべて知り
執着なく幸せな悟った人
彼を私はバラモンと呼ぶ

神々も音楽神も人間にも
死後の行方がわからない
煩悩の消えた阿羅漢
彼を私はバラモンと呼ぶ



〇この詩の蛇足

 419番と420番の詩ができた因縁物語は、ワンギーサという仏弟子にちなむものです。この話は面白いので、中山慧照著「法句経の世界」(第一書房)から以下に引用させてもらいます。

 「釈尊がコーサラ国の祇園精舎にあられた時、マガダ国ラージャガハの都にワンギーサと称する一人の婆羅門がいた。彼は死人が出ると、その頭をたたいて、その転生先が六道のうちのいずれであるか見分けるのが巧みだった。ワンギーサの友人はこれで一儲けできると考え、ワンギーサを連れて旅にでた。人々は縁者の転生先を知りたいと続々と金を出したので、ワンギーサの一行は常に裕福だった。

 一行がコーサラ国のサーヴァッティー到着すると、そこの人々は、ワンギーサより釈尊の方が数倍も優っているといった。ワンギーサの一行もこれに負けず、ワンギーサの方が勝れているといって譲らなかった。そこで優劣をきわめるために人びとは、ワンギーサをともなって精舎に出かけた。

 釈尊は地獄・畜生・人界・天界の四趣に転生した四個の髑髏(どくろ)と漏尽者(阿羅漢)の髑髏一個の合計五個をワンギーサに示された。ワンギーサはその転生先を次々と当てた。しかし最後の一個だけはどうしても、当てることができなかった。これを当てるには出家するしかないとの釈尊の仰せによりワンギーサは出家した。ほどなくして彼は阿羅漢に達した。以後、彼は誰に聞かれても、『私にはもう得るものがありません。』と答えるだけであった。

 比丘らがこれを釈尊に申し上げると、釈尊は『比丘らよ、ワンギーサは輪廻を滅して賢者になったのだ。』と仰せられてこの偈(詩)を唱えられた。」(以上引用終わり)

 阿羅漢は輪廻の世界から解脱していますから、輪廻の世界に存在しないのです。

 さて、今日10月30日(土)の夜から明日11月1日(日)にかけて夜を徹して、八王子の正山寺釈迦牟尼国際仏教センターで「カティナ衣大法要」がありますので、これから八王子に出かけます。



〇前回の「この詩から学ぶこと」

http://76263383.at.webry.info/200812/article_27.html
 生きものの死と再生をすべて知り涅槃に達した彼はバラモン(419)

http://76263383.at.webry.info/200812/article_28.html
 神々も音楽神も人間も死後のわからぬ彼はバラモン(420)

〇パーリ語原文

419.
チュティン ヨー ウェーディ サッターナン
Cutiṃ    yo   vedi      sattānaṃ,
死去を  人は  知った    生きものの
ウパパッティンチャ サッバソー
upapattiñca       sabbaso;
再生を と       すべてを
アサッタン  スガタン ブッダン
Asattaṃ    sugataṃ  buddhaṃ,
執着のない 善行の  悟った人を
タマハン ブルーミ ブラーフマナン
tamahaṃ  brūmi   brāhmaṇaṃ.
彼を私は 呼ぶ   バラモンと

420.
ヤッサ   ガティン  ナ  ジャーナンティ
Yassa    gatiṃ    na   jānanti,
その人の 行き先を ない  知る
デーワー ガンダッバマーヌサー
devā     gandhabbamānusā;
神々も   音楽神も 人間も
キーナーサワン アラハンタン
Khīṇāsavaṃ    arahantaṃ,
煩悩が滅した   阿羅漢を
タマハン ブルーミ ブラーフマナン
tamahaṃ  brūmi   brāhmaṇaṃ.
彼を私は 呼ぶ   バラモンと

〇生きものの死と再生をすべて知り涅槃に達した彼はバラモン(419)
〇神々も音楽神も人間も死後のわからぬ彼はバラモン(420)

~生きとし生けるものが幸せでありますように~
~生きとし生けるものの悩み苦しみがなくなりますように~
~生きとし生けるものの願いごとが叶えられますように~
~生きとし生けるものに悟りの光が現れますように~



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この記事へのコメント

2009年10月31日 20:15
ワンギーサさん、こんばんは。自称超能力者が人々をたぶらかす。いつの時代でも変わりませんね(笑)。地面を叩いて地震の予知でもした方が人々助かりそうですね。私ならこのワンギーサとかいう超能力者に目隠しして、人骨、動物骨、それからカルシュウムを素材とした合成人工どくろ、その他音色の似た物体など100個くらい用意して彼を実験します。もし人工どくろが「地獄に落ちた」なんて言ったら笑っちゃいますね。人骨なんてただの物質です。コンクリートなどとその点ではたいして変わりませんね。大槻先生がこの時代生きていたらどう考えるのかな~と思いました(苦笑)。輪廻からの解脱に関してなら、もっと気の利いた作り話があれば良いのにな~と思いました。残る望みは輪廻から本当に解脱するしかなさそうですね。有難うございました。
PUN
2009年11月01日 07:00
おはようございます。今朝のNHKこころの時代、法華経七万字を二十回以上繰りかえし写経されている曹洞宗のお坊様が出演なさっていました。写経をさせていただいていると仏様の声なき声が聞こえてくるそうです。ワンギーサさんも、ダンマパダ四百数十句に、在家時代は「ブッダの演歌」として、そして出家なされてからはブログで毎日取り組まれていらっしゃる。在家時代と出家時代と合わせて現在、三回目の取り組みかと思います。三度目の正直といいます。私も歩く瞑想を毎日一時間させていただいています。一年継続させていただくと、どういう変化が自分にあるのだろうかと、楽しみにしています。生きとし生けるものが幸せでありますように。
PUN
2009年11月01日 07:10
カティナ衣大法要ということで、正山寺で修行なさっているスダンマ師のブログのことを前にワンギーサさんが紹介なさっていたことを思い出し、スダンマ師のブログを拝見したところ、カティナ衣大法要2008の様子が写真付きで紹介されているのを発見いたしました。

http://homepage3.nifty.com/sukha/2008kathinapinkama.html

良く見ると、ワンギーサさんもいらっしゃる。スマナサーラ長老もいらっしゃる。私は去年も今年も、参加できそうにありませんが、スダンマ師のブログのおかげで、カティナ衣大法要の一端に触れることができました。仏法僧の三宝に感謝いたします。
身の丈修行者
2015年07月08日 07:41
ワンギーサ尊者のお話を興味深く拝見致しました。
本文の「これを当てるには出家するしかないとの釈尊の仰せ」も興味深いです。
阿羅漢になるにはお釈迦様の教えを実践するしかないとの解釈で宜しいのかなと思いました。
身の丈でも実践して参りたいです。

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