欲と飢え 老化が病気 それなのに 九十八の 病気に増えた<再311>

○ワン爺さんの独り言<311>
・・・
人間の病気は次の三つでした。
欲しいという気分。
お腹がすくこと。
歳を取ること。


第2 小さな章 7.バラモン法経 28.

○中村元先生訳
311
昔は、欲と飢えと老いという
三つの病いがあっただけであった。
ところが諸々の家畜を祀りのために殺したので、
九十八種の病いが起った。


○正田大観先生訳
314.(311) 
かつては、欲求(本能)と飢餓(空腹になること)と老化という
三つの病〔だけ〕が、〔人間たちに〕存在しました。
しかしながら、家畜たちの屠殺から、
〔新たに〕九十八〔の病〕が起こりました。(28)


○パーリ語原文
311.
タヨー    ローガー    プレー     アースン
Tayo     rogā       pure      āsuṃ :
三つの   病気が      以前は    あった

イッチャー   アナサナン    ジャロー
icchā       anasanañ,      jarā,
欲        飢え        老化

パスーナン チャ     サマーランバー
pasūnañ ca       samārambhā,
家畜たちの      と      殺害から

アッターナウティマーガムン
aṭṭhānavuti-m-āgamuṃ.
九十八(病)が起こった


○一口メモ
家畜に刃を下して殺したことにより、人間はこれまで、欲と飢えと老化という三つの病気しかなかったのですが、その後九十八種の病気が現れたと言われています。

何故、欲と飢えと老化が病気なのか?少し復習してみましょう。

欲が病気であることは、スッタニパータ51番の偈で学びました。
欲望は 病気はれもの 矢と災難 それらを避けて 一人で歩く<51>
http://76263383.at.webry.info/201305/article_21.html
「病気とは治療をしなければ治らないものです。欲望は欲望を満たさなければ止むことはありません。しかし、欲望は一度欲望をみたしても、欲望は満足を知らず、さらに欲望は増大するのです。その意味では、欲望は不治の病だというべきなのです。」

飢えが病気であることは、ダンマパダ203番で述べました。
空腹で 己が苦だと よく分かる 己を知って 涅槃に至る (203)
http://76263383.at.webry.info/201209/article_17.html
「なぜ、飢えは最大の病気なのですか?飢えの治療のために、食べ物を補給しても、決して治らないのです。また明日治療をしなければならないのです。飢えは不治の病ですから、最大の病気なのです。」

老化も治すことの出来ない病気です。生命の老化は止めることが出来ないのです。生命にとって無常とは老化なのです。無常を止められないように、老化も止められないのです。

ここで、98種の病気)の一部を列挙してみましょう。(全部は調べられなかったため)
1.眼の病、2.耳の病、3.鼻の病、4.舌の病、5.身体の病、6.頭の病、7.喉の病、8.口の病、9.歯の痛み、10.咳、11.喘息、12.風邪、13.火傷、14.熱、15.内蔵疾患、16.気絶、17.下痢、18.リュウマチ、19.コレラ、20.ハンセン病、21.おでき、22.ハンセン病による変形、23.肺結核、24.皮膚の炎症、25.傷、26.痒み、27.疥癬、28.黄疸、29.糖尿病、30.唾液の病、31.吹き出物、膿胞、32.潰瘍でできた穴、・・・(中略)・・・97.てんかん、98.毒に触れること、かき傷による感染など。

またその後、人間は悪行為を積み重ねることによってでしょうか、現在では標準病名マスターと呼ばれるものに登録されている病名は、20,155種類になっています。

このように、人類は悪行為を重ねることによって、多くの病気に悩み苦しむことになるのですが、病気には意味と役割があるのです。この偈の解説の本筋と外れますから、詳しくは述べられませんが、病気は人類に生き方を改善すべきことを教えているのです。

本題に戻ると、家畜を殺した行為の結果は病気の数が増えただけでは終わりません。それは明日以後の偈で述べられます。


○前回のこの偈の解説

欲と飢え 老化が病気 それなのに 九十八の 病気に増えた<311>
http://76263383.at.webry.info/201312/article_25.html


○人生の万能薬(慈悲の瞑想)

生きとし生けるものは幸せでありますように
生きとし生けるものの悩み苦しみがなくなりますように
生きとし生けるものの願いごことが叶えられますように
生きとし生けるものにも悟りの光があらわれますように

*この言葉を毎日唱えると幸福になれます。


~~~~~~お知らせ~~~~~~

◎大阪府岸和田市のアラナ精舎での雨安居は10月15日(土)で終了しました。アラナ精舎のカティナ衣法要は10月23日(日)に行われます。それ以後については11月3日のゴータミー精舎のカティナ衣法要に参加するために東京に行きます。その後、しばらくアラナ精舎に滞在させて頂きたいと考えていましたが、そのまま東京に滞在することになりました。関西の皆様にはお世話になりました。関東方面の方はまた宜しくお願いいたします。


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この記事へのコメント

kempsford
2016年10月31日 04:25
おはようございます。
「こころは身体に影響を与えます。でも、心では癌は直せませんよ。心には、そこまでの力はないのです。身体は物体です。物体には、物体の法則があるのです(スマナサーラ長老・アビダンマ講義)」。またスリランカでのこんな話も紹介して下さいました。「『病気を治してあげる』と叫ぶ人がいました。すると、人々が集まり、『あそこに病院がありますよ。そこに行けば、たくさんの人たちを治せますよ』、と教えてあげました。すると、その人は、すぐに逃げたのです」。心は大切です。それは、身体の病気を治してくれるか否かには、関係ありません。自分の心を清らかにするよう、精進を続けねばなりません。ご指導ありがとうございました。
こころざし
2016年10月31日 07:35
おはようございます。
高齢者福祉の現場で、常に老いに接しています。自分も老いているのはあまり実感がないですが、でも毎日確実に老いてきています。そしてお腹も好きます。それらに深めに気が付いて、そのような事に一喜一憂して時間を過ごさせてしまうのではなく、心の成長という大切なことを、生きているうち・体が動くうちに進めなければとの意欲に繋げて参りたいです。
ワンギーサ長老・皆様の、今日も素晴らしい一日となりますように。
三日坊主
2016年11月08日 19:20
私は最近、足にけがをしました。それがきっかけで、生老病死を痛感しました。これは、法華経だかに「極楽百年より穢土の一日」という言葉があるそうですが、まさにそれです。普段みなれぬケガ人、老人、を見てショックを受けた四門出遊について、やはり、自分がケガしてみると身に染みました。この苦しみは、宇宙が誕生し、地球ができて、それから生命ができて、そして人間ができ、そして苦しみが生じた。その天文学的な時間の流れによって生じてしまった苦しみに対して、答えを出した聖人たちがいる。