#感興のことば(#ウダーナヴァルガ) 第26章 安らぎ(ニルヴァーナ) 17偈

17 見られたことは見られただけのものであると知り、聞かれたことは聞かれただけのものであると知り、考えられたことはまた同様に考えられただけのものと知り、また識別されたことは識別されただけのものと知ったならば、苦しみが終滅すると説かれる。

(中村元訳「ブッダの真理のことば・感興のことば」岩波文庫より引用しました。)


*法津如来のコメント

昨日、表象作用と感受作用と識別作用については、明日掲載する予定の17偈で、もう少し具体的に説かれていますと述べましたが、この偈には、表象という言葉も、感受という言葉も出てきません。

そこで、まずその辺の説明から始めます。

表象作用とは、感受されたもの或いは考えたことを心にイメージすることです。感受とは外界からの刺激を受け入れることです。

表象作用の特徴は、見られたことは見られただけのもの、聞かれたことは聞かれただけのもの、考えられたことを、それだけにせず、それらに関する事柄を次々にイメージして、その連鎖が続くことです。この連鎖は、個人の経験、記憶に基づいており、非常に主観的なものなのです。

そして、この主観的なイメージの連鎖にもとづいて、ある事柄を他から区別する識別作用が働きます。このような識別は事実に反するために、人間は苦しむことになるのです。

これとは逆に、見られたことは見られただけのものであると知り、聞かれたことは聞かれただけのものであると知り、考えられたことはまた同様に考えられただけのものと知り、また識別されたことは識別されただけのものと知ったならば、事実に基づく識別ですので、苦しみが終滅するのです。