石法如来の特別寄稿:古希を生きる・・・三つのおごり。(その1)

私は、今年3月に満七十歳になりました。七十歳と言えば古希ということですが、本来は数え年で祝っていたそうですが、現在では満年齢で祝うことが多くなってきているようです。
 
古希について、唐代の詩人である杜甫(とほ)は曲江(きょっこう・中国の長安の東南にあった池の名)において次のような詩を書いております。・・・「酒債(しゅさい)は尋常行く処(ところ)に有り 人生七十古来稀なり」(酒代の付けは私が普通行く所には、どこにでもある(しかし)七十年生きる人は古くから稀である)」(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』から引用)と。
 
自分が実際に七十歳になり、今までとまったく違う感慨を持っております。まず、杜甫の詩にも「人生七十古来稀なり」とあるように、よくぞ「ここまで生きてきたな」という思いと、「あと何年生きる(生きられる)のだろう」という二つの異なった思いが交差しています。
 
それには訳があります。それは、私の実の両親が共に七十代でこの世を去っているという事実です。この事実は、自分にすればかなり大きなものがあります。
私の考え方(思考)の癖として、どちらかと言えば楽観論に与しないということ。かといって、極端な悲観論者でもありません。
 
私の話は、知らない人にしたら「どちらかと言えば悲観論」として受け止められる傾向が強いのです。自分自身、なぜ自分はその様な話し方をするのだろう?と振り返ったことがあります。自分自身が得た答えは、仏教思想を学んでいるからだというものです。
 
私が主に学んだ原始仏教経典は、現実的な問題についてより適切な答え出すよう組み立てられています。そのような経典の思考に慣れていくと、流れ的には「現実を注視する」、次に「法(理法)に基づき現実に沿った(適切な)答えを出す」というものです。
 
釈尊という方は、リアリストと称される程の人物ですから、どうでも良い問題には答えない=現実に即した問題に対し、法(ダルマ・理法)に即した適切な解答をされますから、これ以上のものはありません。
 
その様な、基本的思考の流れが分かっていない人間と話をしても、最初から思考の出発点が違っているので大体話にはなりません。その様な場面の解決策として必要なことは、自分以外の他者とは「難しい話や余計な話はしない」こと。・・・それが、穏便に暮らすには必要なことです。
 
と言うのは、「現実的な問題」というのは普通の人間は突き詰めて考えるということがありませんから、私の話は「悲観的で暗いもの」と受け止められてしまう可能性が高いということです。
 
私の場合は、人間の寿命(自分の寿命)について両親の実例を参考に、七十代のどこかで終わるということを想定しています。その様なニュアンスのことを、仮に他人に話したら大抵は「早すぎる」、「悲観的だ」などというようなことを申します。
 
因みに、日本人の平均寿命は2019年の統計によりますと男性が81.4歳、女性が87.4歳だそうです。人々は、多分この数字に基づいて「早い遅い」を判断しているのでしょう。
確かにそれは一つの判断材料にはなりますが、絶対という訳には行きません。本人の、希望的観測が含まれているからです。
 
私は、ここ1~2年ほど北海道新聞朝刊を読むとき必ず死亡広告欄を見ます。知り合いの逝去についての確認は、ある程度必要なことだからです。
次に、七十歳以下で何人亡くなったかを数えます。その数は、毎日違いますが比率は全体の大体10~15%前後です。
 
たしかに、現実的に考え亡くなっている方の大半は七十~九十歳ですが、七十歳以下の方も必ず亡くなっているという事実があります。実際、私の学生時代の同級生も同世代の親戚も数名亡くなっております。
 
年齢が七十歳となり、身体は老い衰えましたが変わらないものがあります。それは、「意識(気持ち)」です。仏教的な、意識の問題は横に置いておくとして・・・人間の「意識(気持ち)」というものは、自分自身の身体など違い「老化しない(していない)」ので、いつまでも変わらないものという錯覚を抱きます。
 
これは、かなりやっかいなものです。一番良い例は、頭で考えたら簡単にできることを、実際に身体を使い実行するとなると身体が動かない。あるいは、身体が付いていかないということが現実に起こるからです。
 
老いゆく自分自身の姿形(すがたかたち)と同じように、自分自身の「意識(気持ち)」も確実に老化し変化していると捉えないと、とんだ「しっぺ返し」を受けることになります。・・・「こんな筈ではなかった」と。


*法津如来のコメント

先日、9月12日から次の石法如来の特別寄稿が始まると予告しましたが、今日のブログに掲載になりました。だいたいメールで原稿を受け取った翌日に掲載させて頂いております。


 

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