石法如来の特別寄稿「経典に習う。」

以前記事にも書きましたが、仏教思想に触れる人は稀です。・・・更に、経典を学ぼうとする人は少数派で有り、極めようとする人は皆無に等しいくらい少ない。それが現実です。
私自身も、この世界に70年ほど生きておりますが、仏教思想を学ぼうとしている人にすらお目にかかったことはありません。
 
仏教の思想は難しいと言われますが、私の場合はほとんど独学です。ただ、最初に出会ったのが釈尊直説の教えに最も近いと言われる阿含経であったために、大乗仏教の経典に比べより現実的な問題をテーマとして、言葉も平易で慣れれば理解しやすい教えでありました。
 
その様な経緯から、仏教思想の骨幹を成すのは原始仏典(阿含経)であり、それをある程度学べば仏教において必要な教養は身につくものと考え勉強を始めたのですが、確かにそれはそれで間違いの無いことですが、こと「覚り」に関して言うなら原始仏典も大乗経典も差がありませんから、自分にとって因縁のある経典を学べば良いです。
 
仏教思想を学ぶ上で、阿含宗の桐山靖雄氏の著書や法話あるいは仏教研究者(大学の教授等)の資料・著書などを参考に学びましたが、最初の頃はまるで「ちんぷんかんぷん」でした。
それでも自分自身、過去に射撃や空手などの競技等を通じて学んだ「継続した練習(学び)による成果」に自信があり、たゆまず勉強を継続し得たことは間違いありません
 
ここで言う、継続した練習とは経典の学びに例えると「絶えず経典に接する(読む)」ということになります。最初から、意味が分かるとか分からないとかはまるで関係ありません。SRKWブッダが著書で言われているように、「分かった気になる」のでは無く、「分かる気になって」最初はとにかく接する(読む)ということが大事です。
 
経典を学ぶ上で大事なことは、「自分が学ぶ」と言うより「経典から教えて頂く」という姿勢です。そこにあるのは、自分自身は全く不完全な存在で有り、世の中のことは何も分かってはいないのだという程の謙虚な姿勢です。そこに、「経典から学ぶ」意義が生まれてきます。それで、表題を「経典に習う」としました。
 
私の場合は、釈尊(ゴータマ・ブッダ)に因縁があったので釈尊に関する伝記を何度も読みました。何度も繰り返し読んでいると、当時の情景が目に浮かぶようになります。特に私の好きな経典は、釈尊の生涯最後の旅を記した『ブッダ最後の旅』(大パリニッバーナ経)です。私自身が、最終的に覚りを得るとき、その経典に記された教えと深い因縁があったのは偶然とは思えません。
 
最初は、全く理解出来ない状態から始めて数年(2~3年)したら、少しずつ経典の文字になじんで参ります。・・・振り返れば、その頃から勉強法が少し変わりました。
経典の一節を読み・記憶し、何度も何日もその一節を繰り返し繰り返し、自分の頭の中で思考と自問を繰り返します。・・・それを根気よく行っているうちに、頭の中で(指が)「パチン」と弾けるのです。とっさに閃きが起きて、「それはそういう事を言っていたのか」とうなずき理解を深める。・・・その様なことを、飽きずに繰り返します。
 
その閃きの感覚が好きで、何年も続けていましたがそれでも仏教思想の肝心な部分(いわゆる法(ダルマ))については、ピンと来るものがありませんでした。
自分自身、「こんなに勉強したのに肝心なことが分からない」と自己嫌悪に陥り、「もう駄目かな」と半分以上諦めていた時に、本棚に置いてあった『阿含経典』の現代語訳(増谷文雄訳)に目が行きました。
 
それは、勉強を始めた頃に購入した書籍で、当時はまだ読み解く力がなく本棚に眠ったままだったのです。それを読むうち以前は読み解けなかった内容がすらすらと理解され、渇いた砂に水が染みていくように法(ダルマ)が、「ストンと」(腑に落ちた)のです。・・・その時の気持ちは、言葉では表現出来ません。
 
それは、何度も何度も過去に目にしていた言葉でした。それを長い時間目にしていても、その言葉の重要性に全く気が付かない(気が付けない)のです。・・・後付けで、気が付いたのちに法(ダルマ)とはその様なものであると気が付いたという訳です。自分自身の努力の積み重ねで掴み取らないと、本当のところは決して身につかない(知り得ない)という良い例であると言えます。
 
経典の学びを諦めてはいけません。いつ、「肝心なことに気が付くか」など誰にも分かるはずがないからです。・・・謙虚に、「経典に習う」気持ちで学んでいるなら、いつの日にか求めている問いに解答を得ることが出来るはずです。


*法津如来のコメント

今回の投稿は、さっぱりわからないという方にも参考になるもので、このブログの流れに乗るもので、シンクロニシティを感じました。ありがとうございます。


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