自分にあった経典あれば それを身につけ修行せよ

ダンマパダ 285

秋のハスを手で切る取るように
自分の愛着を切り取れ
寂静への道のみを育成せよ
涅槃は仏陀の説かれたものだ

○この詩から学ぶこと

 この詩はこの詩のできた因縁物語を知っていた方が理解し易いでしょう。若い比丘が肉体の32の部分を観察し、肉体は不浄なものであることを理解して、欲から離れることを目的にした冥想法に取り組みましたが、この比丘は不浄なものに強い拒否反応を示し、冥想修行が成功しませんでした。釈尊はこのことを知り、彼にハスの花を観察する冥想法を指導しました。彼はすぐに深い冥想に入ることができるようになり、美しいハスの花が次第に衰え、醜く枯れていく変化を見て、無常、苦、無我を観察することができました。その時、釈尊は上の詩をのべられたのです。この説法によってこの比丘は阿羅漢果を得たということです。

 人にはそれぞれ個性がありますので、修行もその個性に合ったやり方を行った方が効率的ということはあるようです。既に少し紹介しましたが、アビダルマには人の性格を6つに分類して、それぞれにあった冥想法が書いてあります。しかし、これの6つの性格もそれぞれの複合型があり複雑です。それらの判定は経験豊かな、信頼できる指導者の指導を受けなけば間違うことが多いでしょう。
できれば、個別にそれらの指導者の指導を受けるべきです。

 経典を理解する場合にも同様なことが言えます。仏教には八万四千といわれているお経があります。それは釈尊が多くの人の為に、教えを聞く人々の性格や能力や問題意識に合わせて説法したから多くのお経があるのです。経典はすべてを学ばなければ理解できないものではないのです。

 ダンマパダには423種類の短いお経の詩があります。この中に自分にぴたりくる詩があれば、釈尊が自分の為に作った詩だと思えるものが一つでもあれば、その詩を繰り返す学び、修行をすれば、修行を完成することができるのです。そのような例がダンマパダ259(8月17日)にあります。ある比丘が「増上心あり、不放逸な聖者が無言の修行を実践する。このように心静かに、常に気づきのある人には、憂いがない。」という短いお経を繰り返し唱え、このお経の通り修行して阿羅漢になったという話しです。私はどなたかがそのような詩に出会えるようなお手助けができればいいなと思っています。


~生きとし生けるものが幸せでありますように~
~生きとし生けるものの悩み苦しみがなくなりますように~
~生きとし生けるものの願いごとが叶えられますように~
~生きとし生けるものに悟りの光が現れますように~ 

この記事へのコメント

身の丈修行者
2015年02月04日 13:13
私事ですが、日本語訳の経典を見てもはっきり言って理解ができないと感じた事があります。

以前ダンマパダ等を本で拝見し時、日本語なのに日本語に感じない・意味が分からず結局途中で断念した経験があります。

分かりやすい日本語にして下さったものでないと意味が分かりません、と自覚しています。

ですが、分かりやすい日本語でもどれだけお釈迦様の真意を分かって翻訳して下さっているのか・との見方を教えて頂き、どなたも一緒とはとても思えないと実感しています。

尊敬・安心できる素晴らしい方より学べる事を至福に思います。

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