財産は愚かな者を殺すなり 無執着の人は殺せない 

ダンマパダ 355

財産は愚か者を殺す
涅槃を求める人は殺さない
財産への渇愛によって愚か者は
他人のように自分を殺す



○この詩から学ぶこと

 最近、2500年前に釈尊が指摘した通りの事件が起きました。宝くじで2億円当たった女性が、それを知った男に殺されたのです。これは2億円が彼女を殺したと言っていいのだと思います。亡くなった方を愚か者と言うことははばかれるのですが、ほとんどの人間が愚か者である現状では、また、特別に涅槃を求める人以外では、一瞬に大金を手に入れた人は興奮状態になり、愚か者と言っても間違いない人間になるでしょう。

 彼女を殺した男は、財産への渇愛によって、大金を持った女を殺した愚か者であり、結局、殺人罪を犯し、自分を殺すことになってしまったのです。

 すべての現象は無常ですから変わります。しかし、真理は変わりません。釈尊を指摘した真理から何を学ぶのかが問題です。

 財産は欲望の対象です。愚か者とは、欲望の対象に執着する人です。愚か者は、この財産を守ろうとします。財産は増えたり減ったり、無くなったりします。増えれば喜び(欲)、減れば悲しみ(怒り)、無くなれば狂乱します(無知)。そのため愚か者の精神は不安定になり、ますます愚かになります。愚か者がさらに愚かになれば、それは理性のない死者といいでしょう。愚か者は財産で殺されたようになるのです。

 しかし、愚か者でなかったら、すなわち涅槃を求める人は欲望の対象に執着しない人ですが、その人は財産が増えたり、減ったり、無くなっても、動揺しません。財産によって愚かになることがなく、理性のない死者のようにはならないのです。

 また、財産は他人の欲望を刺激します。そのため財産は非常に危険なのです。刺激された欲望で、渇愛はますます増大します。それにより、理性が失われます。理性が失われた人は、どんなことをしても、その財産を自分の物にしたくなります。そして犯罪を犯すようになります。犯罪を犯すということは自分を不幸にすることであり、自分の人生を殺す人なのです。

 財産への態度で愚か者か否かが分かります。無常である財産に執着する人は愚か者であり、涅槃を求める人は財産に執着しない人であり賢者なのです。
 
○財産は愚かな者を殺すなり 無執着の人は殺せない

~生きとし生けるものが幸せでありますように~
~生きとし生けるものの悩み苦しみがなくなりますように~
~生きとし生けるものの願いごとが叶えられますように~
~生きとし生けるものに悟りの光が現れますように~ 

この記事へのコメント

2008年10月27日 07:58
ワンギーサさん、おはようございます。よく聞く類の話ですね。ただ、私自身思うのは、財産の無常もさることながら、己の無常を度外視してるケースが多いんじゃないかということです。バブルの頃、もう80を超す方が、「あれだけの土地なら、是非学校などに」という、不動産会社の申し出を断り、「あとはどうなろうと構わない。とにかく1円でも高く買うところに売る」と譲らなかったことがあります。この時、この方はあと何百年生き延びるつもりなのだろう?と思いました。有難うございました。
ホーシノヒトリゴト
2008年10月27日 09:13
ワンギーサさん 今朝もありがとうございます。さて、今朝も「ブッダの教え一日一話」(10月27日)を読みました。そこには「自分の心を育てる」ことが本当の幸せになれることだと書いてありました。自分の心を育てて人格を完成することが幸福になれる大事なことですね。今日のダンマパダの解説も同じ事を教えているのですね。ありがとうございました。
身の丈修行者
2015年02月18日 12:54
以前自己啓発系?で「宝くじに当たったら誰にも・家族にも絶対に言わない事です。また生活も(成金のように)変えない事です」と話していたのを思い出しました。ですが誰にも言わない・・というのは通常無理みたいですね。
財産への渇愛の影響が色々な意味ですぐに反映してしまうのが、俗世間なのかもと自分の事も含めて思います。
そうならないように戒めたいです。

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