バラモンが恋を捨てるは悪くない害意捨てれば苦悩静まる
ダンマパダ 390
バラモンが愛する人々への愛着を
抑制するのは少なからず優れたことだ
他への害意が消滅に従って
それに従って苦が静まる
○この詩から学ぶこと
釈尊は2500年以上前に心のメカニズムを完全に解明して、私たちに心をコントロールする方法を教えました。しかし、最近二、三十年前ごろから、脳科学者は心のメカニズムが少し分かったと大騒ぎをしているように思います。心は肉体である脳などを通じて機能しているので、脳のメカニズムが分かれば、私たちには理解しやすいというメリットがありますが、脳が心を作ると考えるのは脳科学者の顛倒です。指先で熱い物を触ったら、熱いのは指先です。脳ではないのです。熱いと感じた所から心が始まるのです。
脳を機能させる重要な物質にドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニンがあります。釈尊はこのような物質名を使いませんでしたが、これらの物質を引き出す心の機能として、欲と怒りと智慧を発見しているのです。さらに詳しく分析しています。具体的に上げれば、同他心所13種類、不善心所14種類、浄心所25種類です。以上52種類です。(星飛雄馬著「初期仏教キーワード」55ページ)今の脳科学者には気の遠くなるような数字だと思います。
さらに、釈尊はこれらの機能の発生の原因を明らかにして、その現象の過程を明らかにしているのです。しかも、現世の現象に留まらず、過去世からの影響まで言及しているのです。現代科学では解明不可能です。
さて、以上は今回の詩は心の要素である欲と怒りを引き出す導入です。脳科学で言えば、ドーパミンとノルアドレナリンと関係があります。それらの働きを抑えるという意味では智慧とセロトニンとも関係があります。
「愛する人々への愛着を 抑制するのは少なからず優れたことだ」は納得できない人が多いと思います。愛する人と会うと脳内に快感物質のドーパミンが出るのです。ですから、好きな人に会いたくなるのです。好きな物を食べた時も脳内にドーパミンが出ますす。同じなのです。そうすると、その快楽を求めて、愛する人、好きな物に依存することになるのです。バラモンは依存しない人なのです。独り立ちできる人なのです。ですから、愛する人々への愛着を抑制することは大切なことなのです。
「他への害意が消滅に従って それに従って苦が静まる」について、脳科学的に説明すると、「他への害意」とは「怒り」ですが、その時は脳内にノルアドレナリンが分泌されます。そうすると身体は興奮と緊張が高まります。身体は戦う体制になります。心臓の拍動は高まり、血圧は上がります。消化機能は停止します。身体は苦痛なのですが、それも感じないようにしています。それが長く続くと身体は壊れます。しかし、害意が消えれば身体は元に戻り、リラックスしてきます。「苦が静まる」のです。脳内のノルアドレナリンは減少しているのです。怒りのない状態になるのです。前の詩でも学びましたが、バラモンは怒りをもってはいけないのです。他への害意を消滅させる必要があるのです。
ちなみに、セロトニンはドーパミンやノルアドレナリンの分泌を抑制するので、欲や怒りの暴走を抑える作用があるそうです。そして、冥想や読経は脳内のセロトニンの分泌を活性化させるため、冥想や読経によって、欲や怒りの少ない人間になることを脳科学者は証明したと言っていますが、釈尊は2500年以上前に、冥想をし、欲や怒りをなくすように指導していたのです。
脳科学者を批判しているような書き方をしましたが、確かに現代人に心のメカニズムを説明するためには、脳科学の成果は役に立ちます。この文章もその成果を利用して書きました。仏教がなかなか受け入れられない現代では脳科学の成果は仏教にとっても必要なことなのでしょう。脳科学者の今後の活躍に期待します。また、同時に科学者が仏教を学べば大きな利益を得ることは間違いがないことです。
○バラモンが恋を捨てるは悪くない害意捨てれば苦悩静まる
~生きとし生けるものが幸せでありますように~
~生きとし生けるものの悩み苦しみがなくなりますように~
~生きとし生けるものの願いごとが叶えられますように~
~生きとし生けるものに悟りの光が現れますように~
バラモンが愛する人々への愛着を
抑制するのは少なからず優れたことだ
他への害意が消滅に従って
それに従って苦が静まる
○この詩から学ぶこと
釈尊は2500年以上前に心のメカニズムを完全に解明して、私たちに心をコントロールする方法を教えました。しかし、最近二、三十年前ごろから、脳科学者は心のメカニズムが少し分かったと大騒ぎをしているように思います。心は肉体である脳などを通じて機能しているので、脳のメカニズムが分かれば、私たちには理解しやすいというメリットがありますが、脳が心を作ると考えるのは脳科学者の顛倒です。指先で熱い物を触ったら、熱いのは指先です。脳ではないのです。熱いと感じた所から心が始まるのです。
脳を機能させる重要な物質にドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニンがあります。釈尊はこのような物質名を使いませんでしたが、これらの物質を引き出す心の機能として、欲と怒りと智慧を発見しているのです。さらに詳しく分析しています。具体的に上げれば、同他心所13種類、不善心所14種類、浄心所25種類です。以上52種類です。(星飛雄馬著「初期仏教キーワード」55ページ)今の脳科学者には気の遠くなるような数字だと思います。
さらに、釈尊はこれらの機能の発生の原因を明らかにして、その現象の過程を明らかにしているのです。しかも、現世の現象に留まらず、過去世からの影響まで言及しているのです。現代科学では解明不可能です。
さて、以上は今回の詩は心の要素である欲と怒りを引き出す導入です。脳科学で言えば、ドーパミンとノルアドレナリンと関係があります。それらの働きを抑えるという意味では智慧とセロトニンとも関係があります。
「愛する人々への愛着を 抑制するのは少なからず優れたことだ」は納得できない人が多いと思います。愛する人と会うと脳内に快感物質のドーパミンが出るのです。ですから、好きな人に会いたくなるのです。好きな物を食べた時も脳内にドーパミンが出ますす。同じなのです。そうすると、その快楽を求めて、愛する人、好きな物に依存することになるのです。バラモンは依存しない人なのです。独り立ちできる人なのです。ですから、愛する人々への愛着を抑制することは大切なことなのです。
「他への害意が消滅に従って それに従って苦が静まる」について、脳科学的に説明すると、「他への害意」とは「怒り」ですが、その時は脳内にノルアドレナリンが分泌されます。そうすると身体は興奮と緊張が高まります。身体は戦う体制になります。心臓の拍動は高まり、血圧は上がります。消化機能は停止します。身体は苦痛なのですが、それも感じないようにしています。それが長く続くと身体は壊れます。しかし、害意が消えれば身体は元に戻り、リラックスしてきます。「苦が静まる」のです。脳内のノルアドレナリンは減少しているのです。怒りのない状態になるのです。前の詩でも学びましたが、バラモンは怒りをもってはいけないのです。他への害意を消滅させる必要があるのです。
ちなみに、セロトニンはドーパミンやノルアドレナリンの分泌を抑制するので、欲や怒りの暴走を抑える作用があるそうです。そして、冥想や読経は脳内のセロトニンの分泌を活性化させるため、冥想や読経によって、欲や怒りの少ない人間になることを脳科学者は証明したと言っていますが、釈尊は2500年以上前に、冥想をし、欲や怒りをなくすように指導していたのです。
脳科学者を批判しているような書き方をしましたが、確かに現代人に心のメカニズムを説明するためには、脳科学の成果は役に立ちます。この文章もその成果を利用して書きました。仏教がなかなか受け入れられない現代では脳科学の成果は仏教にとっても必要なことなのでしょう。脳科学者の今後の活躍に期待します。また、同時に科学者が仏教を学べば大きな利益を得ることは間違いがないことです。
○バラモンが恋を捨てるは悪くない害意捨てれば苦悩静まる
~生きとし生けるものが幸せでありますように~
~生きとし生けるものの悩み苦しみがなくなりますように~
~生きとし生けるものの願いごとが叶えられますように~
~生きとし生けるものに悟りの光が現れますように~
この記事へのコメント
愛着とは、母を失いたくない、と考えることでしょうか。
愛着が無い人は、母が幸せでありますように。また、母が生きている間は、母に布施しよう。失ったら、仕方ないと、考えるのでしょうか。
つまり、
愛着のある人は、失うと落ちこむ。
愛着のな人は、失っても、落ち着いている。
ということに、なりますか。
家族の財布は1つになっていると思います。
お金は、親から子へと、仕送りしています。
子から親へ、与えているのは、荷物をもつ、話をする、料理をつくる、などです。
ですが、全てを・・という訳ではないと思います。
それぞれの立場で対談する形のスマナサーラ長老の本はとても読み応えがありました。
仏教を学ばせて頂きながら、脳科学の方も時折接してみたいなと思います。
https://noritsu.seesaa.net/article/200811article_26.html