バラモンは智慧ある賢者 道非道よく熟知して勝義に達する

ダンマパダ 403

深遠な智慧ある賢者
道と非道を熟知し
最勝義に到達した人
彼を私はバラモンと呼ぶ


○この詩から学ぶこと

 この詩は、この詩を解説しようとする者にとっては恐ろしく難しい詩なのです。「深遠な智慧」と「道と非道」と「最勝義」について説明しなければ解説したことにならないからです。今までも「盲蛇に怖じず」の勢いで、いろいろ難しい言葉を解説しましたが、これにまともぶつかるのは難しいのです。皆様に間違った固定観念を与えて、修行の妨げになるのが一番恐ろしいのです。

 そこで、スマナサーラ、藤本晃 著「ブッダの実践心理学 第三巻 心所(心の中身)の分析」の213から217ページの「慧根心所」の項を読んで、「智慧」について学んで欲しいと思いますが、その一部を引用させ頂きます。

 「パンニャー(智慧)とは、ありのままにものを見られるということ。我々は自分の主観で、自分の偏見でものごとを見ている。よく知っているつもりだが、本当は眼耳鼻舌身意に入る色声香味触法の情報をありのままに正しく認識しないのです。情報を自分の都合にあわせて捏造するのです。外の情報は何であろうとも、それに関係なく自分の好き勝手に認識するのです。それから、自分が知ったことはそのまま正しいのだと、相当な錯覚も作るのです。パンニャー(智慧)とは、この主観・偏見を破ることで、データを捏造することをやめることで、現われる認識です。そこで初めて、ありのままに観た、ということになるのです。ありのままに観た人が、次の瞬間で解脱に達するのです。と言うわけで、パンニャー(智慧)は心所の中でも唯一の宝物です。」

 「道と非道を熟知し」は正しい修行法か、それとも過った修行法かよく知ってという意味です。より具体的に言えば、八正道を実践して、苦集滅道を理解することによってパンニャー(智慧)が生まれることを知り、「神が創造したか否か」とか「絶対的な神がいるか否か」など研究しても智慧が生まれないことを熟知することです。

 さて、「最勝義」についてですが、これもスマナサーラ、藤本晃 著「ブッダの実践心理学 第一巻 物質の分析」の34から76ページを読んで学んで頂きたいと思います。また手っ取り速く知るには、星飛雄馬著「初期仏教キーワード」18から20ページを読んで下さい。

 「最勝義」とは、簡単に言えば、「真に存在するもの」と言う意味です。それは、心、心所、色(地水火風)、涅槃だけだと仏教では考えられています。深遠な智慧のある賢者は、それがその通りだとありのままに認識できるのです。ですから、「最勝義に到達した人」は「真に存在するものは、心、心所、色(地水火風)、涅槃であると知った悟った人なのです。釈尊はその人をバラモンと呼ぶのです。


○バラモンは智慧ある賢者 道非道よく熟知して勝義に達する


~生きとし生けるものが幸せでありますように~
~生きとし生けるものの悩み苦しみがなくなりますように~
~生きとし生けるものの願いごとが叶えられますように~
~生きとし生けるものに悟りの光が現れますように~

この記事へのコメント

2008年12月11日 05:51
ワンギーサさん、おはようございます。今日の詩も理解を深めるために色々な方向から繰り返したのでしょうか。自分が執着している「妄想概念」を減らし、そしてなくしてしまい「ありのまま」にみられるようになれば、それがすなわちバラモンという意味に取りました。そもそも何が「妄想概念」か?が分からないので、四つたけが実は真実なのだよということでしょうか。同時にそれが「智慧」の世界でもあり、そこに至るの方法が「八正道」を実践することなのですね。また「八正道」の実践しか他にないと確信に至ることなのですね。有難うございました。
ツヨシ
2008年12月11日 07:06
 ワンギーサさん、新さん、おはようございます。
 「ありのままに見る」は、八正道の1番目である正見ですね。
 そして、正しく考え、話し、行動していきますね。
 
ワンギーサ
2008年12月11日 16:32
新さん、ツヨシさん、こんにちは。11月24日のブログをもう一度で見てください。参考になると思います。
身の丈修行者
2015年03月12日 08:50
ワンギーサ長老の分かり易い本文・解説を拝見し、何を学ぶべきなのか、そしてその学びを深める意味・大切さを感じました。
お陰さまで、何を学ぶべきなのかははっきりとしています。
「バラモンは智慧ある賢者 道非道よく熟知して勝義に達する」との言葉が心より分かるように精進したいです。

この記事へのトラックバック