一切の快不快を捨てて冷静で煩悩のない彼はバラモン

ダンマパダ 418

快と不快を捨てて
冷静となり煩悩のない
全世界を征服した英雄
彼を私はバラモンと呼ぶ


○この詩から学ぶこと

 やはりバラモンの世界を解説するのは大変です。一般人、凡夫には、想像できない、たとえ想像はできても、実はそんな世界は望まない世界だからです。このブログで書いていても読む人の反発を感じてしまうのです。

 「快を捨てて」は感覚の楽しみを捨ててという意味です。私たちは、感覚の楽しみのために生きているのですから、信じられない世界なのです。いろいろ面白いものを見ることを楽しみに生きています。音を楽しむため、テレビや街頭でも一日中音楽が流れています。そして、美味しいものを食べたいために、一生懸命働いています。感覚の楽しみを捨てたら、何のために生きているのかと思うでしょう。

 「不快を捨てて」は不快は嫌なものですから捨てるという意味とは少し違うのです。修行者の中には、自分の肉体に苦痛を与えることが修行だと思って、苦行をするのです。それらの人々は「不快」を好んで受け入れるのです。ですから、「不快を捨てて」の意味は苦行を捨ててという意味です。

 ですから、「快と不快を捨てて」とは快楽を望まず、苦行も捨てて、感覚を管理して八正道の中道を歩むと言う意味です。

 八正道の中道を歩むと、冷静になります。そして煩悩がだんだんなくなります。

 「全世界を征服した英雄」について。仏教では「全世界」とは眼の世界、耳の世界、鼻の世界、舌の世界、身の世界、意の世界で構成されていると考えます。

 「征服した」とは管理したという意味です。ですから、「眼の世界、耳の世界、鼻の世界、舌の世界、身の世界、意の世界」において、快と不快を捨てた人はこれらの世界を管理できる人なのです。そして、ダンマパダ103番にあるように、「戦場において百万人に勝つよりよりも、一人の自分に勝つ人は英雄である」と述べられているように感覚の快不快を管理する人は、自分に勝つ人であり、その人は英雄なのです。そして彼はバラモンなのです。


○一切の快不快を捨てて冷静で煩悩のない彼はバラモン



~生きとし生けるものが幸せでありますように~
~生きとし生けるものの悩み苦しみがなくなりますように~
~生きとし生けるものの願いごとが叶えられますように~
~生きとし生けるものに悟りの光が現れますように~

この記事へのコメント

2008年12月26日 05:57
ワンギーサさん、おはようございます。「不快を捨てて」というのは侮れません。快楽から離れようとするのは修行する場合、ごく普通のやり方だと思いますが、注意しないと苦行になりかねません。しかも苦行の種はかなりたくさんあります。だから、八正道を正しく理解して実践する以外、心を育てる安全で有意義な実践はない。正精進と苦行とは別物ですから。有難うございました。
ツヨシ
2008年12月26日 06:07
 ワンギーサさん、おはようございます。
 手をさすったり、もんだりします。
 温めるため、ツボが気持ちいい、と感じます。
 身、触、の快ですね。
 
高橋優太
2008年12月26日 08:24
ワンギーサ先生、皆様、おはようございます。
ワンギーサ先生、八正道の正語から始めてみます。
ありがとうございました!
林田明大
2008年12月27日 01:13
 確かに、と思います。快と不快の間の「中道(中庸)」を説明するのは、至難の業です。
 私などは、中国武術の韓氏意拳で、そこを思い知らされましたので。まさに、体認でした。
 快と不快の間を右往左往するのが、一般的ですし。
 不快の説明も、わかりやすいですね。
 頑張れば頑張るほど、いい、という思いが、ほとんどの人の頭の中に居座っています。頑張りすぎは、まるで頑張らないのと同じくらいに、駄目なことなのです。そこが、なかなか分かってもらません。頑張ることは善だというのは、大乗仏教のお坊さんにも、多い価値観ですね。それで、山の中を飲まず食わずで走りまわったりするんです。そして、そのことを勲章にするんです。人並み以上の体力に恵まれないと無理ですから、やってることはオリンピック選手と同じだと、私は思うんですね。
 自分をいじめて、その充実感が、たまらないんですね。まるでサド、マゾの世界ですね。こんなことを言うと、怒るでしょうね。
 ご教示、ありがとうございます。
ワンギーサ
2008年12月27日 07:46
林田明大先生、コメントありがとうございます。先生の御推薦の「『欲ばり社会人』のススメ」を購入しました。題名だけ見れば私には挑発的ですが、勉強してみます。
林田明大
2008年12月27日 22:58
 『欲張り社会人のススメ』は、一般の人向きです。そこの説明は、私の友人の本ですから、私のブログではできにくく…、はたしてワンギーサ様に気に入っていただけるかと言いますと、はたと首をかしげます(笑)。
 とにかく、テーラワーダ仏教とか陽明学とかにいまだ興味がない方向けなのです。
 「私が感動した」というものではないのです。困ったなあ(苦笑)。
 ワンギーサ様向けの本は、ともあれ、一考させてください。『FLOW(フロー)、韓氏意拳の哲学』(冬弓舎)は、お薦めです。
ワンギーサ
2008年12月28日 07:39
林田先生、たびたびコメントありがとうございます。まだ、 『欲張り社会人のススメ』を全部読んでいませんが、その中に「大欲」をススメ、小欲ではエネルギーにならないなどは、ダンマパダ290番(9月10日に記載)と同じ考え方だと思いました。『FLOW(フロー)、韓氏意拳の哲学』も読んでみたいと思います。いろいろありがとうございます。
2008年12月28日 09:41
林田明大先生、ワンギーサさん、おはようございます。私は昨夜『「欲ばり社会人」のススメ』を購入し現在読んでいる最中です。途中ではありますが、一般人の私にとりましては大変勉強になることが多く、林田先生に大変感謝しております。同時に林田先生の『真説「陽明学」入門』、『「江戸しぐさ」完全理解』も購入いたしました。ワンギーサさん向けの本は私にとってかなりの「背伸び」となりそうですが、是非読ませて頂きたいと考えております。今後とも宜しくお願いいたします。有難うございました。
身の丈修行者
2015年03月17日 21:06
ワンギーサ長老の分かりやすい本文・解説の「感覚の快不快を管理する人は、自分に勝つ人であり、その人は英雄なのです・・」なかなか気が付けない所と思います。
このような教えを頂戴出来ています事を至福に思います。
実践して参りたいです。

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