棲みかから打ち上げられた魚のよう恐れる心欲から離れよ

ダンパパダ 34

水の棲みかから
陸に打ち上げられた魚のように
恐れおののくこの心は
悪魔の支配から離れるべきだ


○この詩から学ぶこと

 ニュートンは、りんごの実がりんごの木から落ちるのを見て、偉大な万有引力の法則を発見したといわれています。しかし、もっと偉大な発見があるのです。それは万有引力の法則に反する存在があるという発見です。それは生命なのです。生命はことごとく万有引力の法則に逆らいます。地球上では、物質は上から下に落ちますが、生命は下から上に立ち上がることができるのです。

 以前、シュレディンガーという物理学者が「生命と何か」(岩波新書)の中で生命は熱力学の法則に反して、エントロピーの増大に反するということには言及していますが、万有引力の法則に反するとは述べてません。

 りんごの実が木から落ちることを発見してもけしって偉大ではないのです。この現象を見て万有引力を発見したことが偉大なのです。同様に生命が立ち上がることを発見してもたいしたことはないのです。ですが、なぜ立ち上がることができるのか発見したことは偉大なことなのです。それは生命には心があるという発見です。ある存在に心がある時、それは生命なのです。物質と生命の違いは心があるかどうかということなのです。

 では心とは何か?昨日示しました。本質は知る機能です。これは釈尊が発見されたことです。心は感じ、考え、知り、意欲するのです。その心が私たちを幸福にも不幸にもするのです。ですから私たちは、心をよく知り、何をなすべきか明確に知るべきなのです。

 では、34番の詩について学びましょう。先ず、この詩では心の状態が述べられています。それは陸に打ち上げられた魚のようだと述べられています。陸に打ち上げられた魚は苦しくて、死ぬ苦しみを感じて、恐れおののいているはずです。しかし、私たちの心はそのような恐れと苦るしみを感じていると思っているでしょうか?そのように思っている人は少数でしょう。

 でも生命は死ぬ苦しみと恐れを感じながら生きているのです。生命は安心できる母親の子宮から細い産道を呼吸ができない苦しみと恐怖の状態で、陸に打ち上げられた魚のように生まれ出ます。生まれても食べなければ死ぬ苦しみを味わうのです。そして病気や怪我などで苦しみます。またいつ訪れれる分からない、しかし必ず死ぬという恐怖に直面して生きているのです。現状を自覚すれば苦以外何ものでもないのです。これらは心が感じているものなのです。

 これの苦しみと恐れは心が生きて行きたいという欲望が原因なのです。欲望の世界の支配者は悪魔と言われています。私たちの心が欲望を持ち続けることは悪魔に支配されているということになるのです。欲望がある限り、輪廻転生を続けることになりますので、輪廻の世界の支配者も悪魔なのです。ですから、生命は苦しみと恐れから、輪廻の苦しみから脱出するためには悪魔の世界、欲望の世界から離れるべきなのです。これを理解しなければ欲望を捨てようとは思いません。小欲で満足しようとは思いません。

○棲みかから打ち上げられた魚のよう恐れる心欲から離れよ

~私は幸せでありますように~
~私の親しい人々が幸せでありますように~
~生きとし生けるものが幸せでありますように~ 

この記事へのコメント

2009年01月20日 06:04
 ワンギーサさん、おはようございます。
 バナナを食べませんでした。お腹が、苦しかったからです。ごはんだけで、足りている。と思いました。
 いつもバナナ食べいたから、食べよう。という、思いが、無くなりました。
 食べ物の適量は、苦しくなる前の量、でしょうか。
2009年01月20日 06:19
ワンギーサさん、おはようございます。「苦しみ」があるかもしれないが、それ以上に「楽しみ」があるじゃないか?と思うのが普通なのかもしれません。ブッダが発見した真理「苦」がなぜ「偉大なる真理」なのか?という疑問から仏教に対する学びがはじまるのかもしれません。「苦しみ」があることくらいは、大昔から知られていたはずですから。これは一種の謎解きのようで、「楽しみ」と思ってたのが実は「苦しみ」だったと自分で発見するのは痛快なことです。問題はそのレベルなのですが、私はまだまだ「苦しみしかない。」ということは発見出来てません。方法は当たり前に「楽しみ」と感じている現象を客観的に観察して調査することだと思います。ニュートンも当たり前に落ちる「りんご」に着目し、その裏に潜む偉大な法則を発見しました。真理に対する好奇心を持ち続けることが何よりだとは思ってます。有難うございました。
ワンギーサ
2009年01月20日 07:08
ツヨシさん、新さん、おはようございます。コメントありがとうございます。

ツヨシさん、食の適量は、言われる通り、苦しくなる前です。
身の丈修行者
2015年03月26日 08:33
ワンギーサ長老の分かり易い本文・解説の「心は感じ、考え、知り、意欲する。その心が・・幸福にも不幸にもする・・心をよく知り、何をなすべきか明確に知るべき・・」心に響きます。
また「苦しみと恐れは心が生きて行きたいという欲望が原因・・心が欲望を持ち続けることは悪魔に支配されている・・ですから・・欲望の世界から離れるべき・・」
は、明確で何をどうするべきかが分かり易いです。
これらを智慧で分かるように精進したいです。

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