見解を正す方法八正道実践すれば悪魔が困る(274)

ダンマパダ 274~276

見解を正しくする道は
八正道の他にはない
この道を実践せよ
これは悪魔の困る道なのだ (274)

八正道を実践する汝らは
苦を終わりにする
矢(苦)の抜き取り方を知て
私によってこの道は示されたのだ(275)

汝らはなすべきことを熱く為せ
仏陀は教示するだけだ
八正道を歩む冥想者
悪魔の束縛から解脱する(276)


○この詩から学ぶこと

 昨日、生きることは感じることだと書きました。そして苦を感じているのだと書きました。今日は生きることを八つに分類して、正しく生きるとはどういうことか考えてみましょう。正しく生きるとは幸福になるように生きるということです。不幸になる生き方をしていれば、間違った生き方なのです。

 1.私たちは何かを正しいと思い込んでいる時、生きているのです。しかし、正しくは生きていません。私たち人生が思うようは行かず、失敗が多いのです。それは、自分が正しいと思い込んでいる事柄が間違っているからなのです。①大切なものは変わらない。②人生は楽しい。③変わらない自分がいる。④肉体は美しい。と思っていることです。その間違った思い込みを正すことが八正道の正見です。

 2.私たちが考えている時、生きているのです。しかし、正しくは生きていません。私たちの考え方が間違っているからです。考え方が偏見に満ちています。根拠のない非論理的な考え方をします。その結果、人々に対立を生み出し、争いになるのです。これは自分にも他人にも不幸なことなのです。この間違った考え方は、①欲のない考え方、②怒りのない考え方、③害意のない考え方にすることが正思惟です。

 3.私たち話をしている時、生きています。しかし、正しくは生きていません。私たちの話し方が間違っているからです。話し方は人間関係に直接影響がある事柄なのです。話し方一つで仲良くもできるし、喧嘩にもなるのです。正しい話し方の基本は1.嘘を言わないこと。2.陰口を言わないこと。3.悪口を言わないこと。4.無駄話をしないこと。これが正語です。

 4.私たちは行動している時、生きています。しかし、正しく生きているとはかぎりません。正しくない行動をしている場合があります。その場合はその行動を正さなければなりません。次の行動は間違った生き方なのです。①殺生をすること。②与えられてないものを取ること。③不適切な性的行為をするいこと。これらを正すことが正業です。

 5.私たちが働いている時は、生きています。しかし、正しく生きているとは限りません。殺生、窃盗、邪淫などに関わる生業は正しくないのです。これを正すことが正命です。

 以下6.7.8.は人格を向上させようとする人々、心を清らかにしようとする人々、涅槃を目指して修行に励む人々に関する生き方です。

 6.正精進する人々は生きています。これらの人々は、①まだ生じてない不善の行為が生じないように精進します。②すでに現れた不善の行為を止めるように精進します。③まだ生じてない善の行為が現れるように精進します。④すでに生じている善の行為が継続するように精進します。

 7.正念の人々は生きています。ブッダの正念の定義は一語一語暗記しておいた方がいいのです。すぐ意味が分からなくとも、修行の過程で、その一つ一つの意味が分かって来るものですし、一語一語を意識していると修行も進むのです。ですからそれを以下に引用しておきます。(片山一良 訳「大念処経」)
 「身において身を観つづけ、熱心に、正知をそなえ、念をそなえ、世界における貪欲と憂いを除いて住みます。もろもろの受において受を観つづけ、熱心に、正知をそなえ、念をそなえ、世界における貪欲と憂いを除いて住みます。心において心を観つづけ、熱心に、正知をそなえ、念をそなえ、世界における貪欲と憂いを除いて住みます。もろもろの法において法を観つづけ、熱心に、正知をそなえ、念をそなえ、世界における貪欲と憂いを除いて住みます。」

 8.正定の人々は生きています。正定の定義は第一禅から第四禅までありますが、ここには第一禅のみを引用します。(片山一良 訳「大念処経」)
 「もろもろの欲を確かにはなれ、もろもろの不善の法をはなれ、大まかな考察のある、細かな考察のある、遠離から生じた喜びと楽のある、第一の禅に達して住みます。」

 八正道に従って生きている人々は正しく生きる人々であり、解脱して涅槃に達する人々なのです。

 今回の詩にある「悪魔」とは「欲望」あるいは「煩悩」と理解すれば分かりやすいかもしれません。

○前回の「この詩から学ぶこと」

274 http://76263383.at.webry.info/200808/article_26.html
    八正道で悪魔の好む見解正し解脱する

275 http://76263383.at.webry.info/200808/article_27.html
    苦しみの矢を引き抜いたから八正道を教えます

276 http://76263383.at.webry.info/200808/article_28.html
    八正道は各自が行え仏陀は教示するだけだ

○この詩に関するスマナサーラ長老の法話

 正しく生きる道は一つしかない ~微笑みが絶えない八正道~

1.真理の核は、無常(動き)です。
2.人は、意志で「動き」を選択する。
3.意志の判断基準は、楽になることです。
4.判断はあべこべなので、楽でがなく、人生は苦になるのです。
5.唯一な正しい生き方は、八正道です。

 パティパダー(2008年6月号)の「今月の巻頭法話」に掲載されています。残念ながら、まだ日本テーラワーダ仏教協会HPにはアップされてません。ですから、該当するパティパダーをお持ちでない方のために、スマナサーラ長老がまとめたポイントを列挙しておきました。

○少しでもブッダの肉声に近づくために(カタカナを3回音読して下さい。)

エーセーワ マッゴー ナッタンニョー
Eseva    maggo  natthañño,
この ような 道は  他にはない
ダッサナッサ ヴィスッディヤー
dassanassa  visuddhiyā;
見解を    清浄にする
エタンヒ  トゥンヘー パティパッジャタ
Etañhi    tumhe    paṭipajjatha,
これを実に 汝らは   歩め
マーラッセータン パモーハナン
mārassetaṃ    pamohanaṃ.(274)
悪魔の これが 幻惑する

エータンヒ トゥンヘー パティパンナー
Etañhi    tumhe   paṭipannā,
これを実に 汝らは  実践して 
ドゥッカッサンタン  カリッサタ
dukkhassantaṃ  karissatha;
苦の 終極を   為せ   
アッカートー ヴォー マヤー マッゴー
Akkhāto     vo   mayā    maggo,
教示された  汝らに 私により 道 
アンニャトー サッラカンタナン
aññāya    sallakantanaṃ .(275)
完全智で  矢を 抜き取る

トゥンヘーヒ キッチャマータッパン
Tumhehi   kiccamātappaṃ,
汝らは実に 為すべきことを熱く為せ
アッカータートー タターガター
akkhātāro     tathāgatā;
教示者      如来は
パティパンナー パモッカンティ 
Paṭipannā     pamokkhanti,
実践する     解脱する
ジャーイノー マーラバンダナー
jhāyino     mārabandhanā.(276)
瞑想者は   悪魔の束縛から

○見解を正す方法八正道実践すれば悪魔が困る(274)
○苦しみの矢を引き抜いて八正道をブッダが示す我々のために(275)
○汝らは為すべきことを為すべしとブッダは我らに教示する八正道を(276)

~私は幸せでありますように~
~私の親しい人々が幸せでありますように~
~生きとし生けるものが幸せでありますように~

この記事へのコメント

2009年07月11日 05:37
ワンギーサさん、おはようございます。今日は八正道の詳しい解説有難うございました。特に、間違った「見解、思い込み」から、身口意の悪行為がなされる流れが理解できました。大切なものが恒久で、変わらぬ自分がいて、なおかつ生きることは基本的に楽しく、おまけに自分の肉体が美しいののが真実なら、そのために欲ばり、そのために嘘をつき、場合によっては殺しもし、儲かればどんな職業についたとしても、それなりの「正当性」があると思います。よく「その前提が間違っている」と世間でも言われたりします。暗黙の前提、疑う余地のない考え、誰もが認める常識、などを絶対視し疑わないことへの俗世間での警告です。改めて「正見」の難しさ重要さ、「蛇見」の危険を感じました!有難うございました。
ツヨシ
2009年07月11日 12:41
 暗記します。
「身において身を観つづけ、熱心に、正知をそなえ、念をそなえ、世界における貪欲と憂いを除いて住みます。
 もろもろの受において受を観つづけ、熱心に、正知をそなえ、念をそなえ、世界における貪欲と憂いを除いて住みます。
 心において心を観つづけ、熱心に、正知をそなえ、念をそなえ、世界における貪欲と憂いを除いて住みます。
 もろもろの法において法を観つづけ、熱心に、正知をそなえ、念をそなえ、世界における貪欲と憂いを除いて住みます。」
身の丈修行者
2015年05月28日 14:48
八正道が大変分かりやすく記載されていて学びになります。一つ一つが少しずつでも出来るように精進して参りたいです。

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