まず言葉心と体三行為清めるならば道は完成

ダンマパダ 281

言葉を守り、心をよく制御して
身体によって不善を行わない
これら三つ行為を清めるならば
仏陀の説かれた道を完成するだろう


○この詩から学ぶこと

 日本の若者は、学生時代を終わって、社会に出る時、すなわち就職を目標にして生きているように思います。これは今も昔も変わらないようです。親もそのように思っているのです。結局はよい就職をするために、よいと思われる学校に入りたいと思い、そのために努力するということになっているのではないでしょうか。その過程で、思い通りの道を進めない人々は、それなりの修正をして、理想をあきらめ生きるということになります。彼らにとって、就職は人生の一大事なのです。

 しかし、仏教は人生の目標は就職ではないと教えています。スマナサーラ長老は、「食べるための仕事は人間の副業であり、心を育てることが人間の本業である。」とたびたび述べておられます。食べるための仕事、副業は、食べるためのお金が稼げれはいいのです。好きか嫌いかは問題にならないのです。お金を稼ぐには人に役に立つ仕事でなければなりません。役に立つしごとならば、何でもいいのです。生き物を殺すことや盗みなどの反社会的な仕事でないならばいいのです。
人生の一大事ではないのです。それについて悩まなくていいのです。副業はあればいいのです。

 人間の本業である心を育てる仕事は、本業ですからどんな人も、どんな時でも行わなくてはならないのです。実はこの本業は人間が幸福になる仕事なのです。多くの人々はそのことを知りません。そのために、人生において道に迷うのです。どう生きていいのか分からなくなります。また幸福になる仕事をしないのですから、悩み、苦しみが増えて不幸になってしまうのです。

 ブッダは、心を育てる仕事、本業を八正道として人間に教えているのです。以前、「八正道はいろいろあって、私にはできない。」と言う方がおられました。八正道はいっぺんに八つの道を実践しなくともよいのです。どの道でも一つずつ始めればいいのです。今回の281番の詩では、まず、言葉を守ることから、心を制御して、そして身体で悪行為をしないように述べています。そうすれば、ブッダの教える八正道を完成できると書いてあります。

 言葉の守り方などは、前回の「この詩から学ぶこと」に書いてあります。

 スマナサーラ長老の法話には、「心を育てる仕事」すなわち「安らぎへの道」は険しくない、難しくはないことが、詳しく説明されております。

○前回の「この詩から学ぶこと」

http://76263383.at.webry.info/200809/article_2.html
 言葉を守り心を守り行い正し完成だ

○この詩に関するスマナサーラ長老の法話

安らぎへの道は険しくない ~誤解は解脱を妨げる~

1.仏教徒は計画を立てて生活する
2.仏教を実践する人は解脱できなくても幸福になる
3.あらゆる宗教の修行よりも仏教の修行は簡単です
4.仏道はすぐに結果が現れる道です。

 パティパダー(2008年11月号)の「今月の巻頭法話」に掲載されています。残念ながら、まだ日本テーラワーダ仏教協会HPにはアップされてません。ですから、該当するパティパダーをお持ちでない方のために、スマナサーラ長老がまとめたポイントを列挙しておきました。

○少しでもブッダの肉声に近づくために(カタカナを3回音読して下さい。)

ワーチャーヌラッキー マナサー スサンヴトー
Vācānurakkhī      manasā   susaṃvuto,
言葉を守り       意を    制御すること
カーイェーナ チャ  ナークサラ  カイラー
kāyena     ca    nākusalaṃ   kayirā;
体による  そして  ない 悪行を 行う
エーテー タヨー カンマパテー ヴィソーダイェー
Ete     tayo  kammapathe   visodhaye,
これらの 三つ 業の  道を   清浄する   
アーラーダイェー マッガミスィッパヴェーディタン
ārādhaye       maggam isippaveditaṃ.
達成するだろう  道を    仙人(ブッダ)が説く

○まず言葉心と体三行為清めるならば道は完成

~私は幸せでありますように~
~私の親しい人々が幸せでありますように~
~生きとし生けるものが幸せでありますように~

この記事へのコメント

ツヨシ
2009年07月16日 05:35
言葉を守ってみます。
2009年07月16日 05:39
ワンギーサさん、おはようございます。私は仕事は仕事、仏教は仏教で、両者は両立できるのか?という疑問が以前はありました。ところで最近「コミュニケーション能力の向上。」ということが教育現場や企業の問題として様々な取組みがなされているようです。私の知識の範囲では、その多くは技術の向上からはじまって、基本的な「内面の向上」へと向かってます。一方、八正道の「正語」をがんばると「コミュニケーション能力」は自然と向上します。相手が聞く耳持たない場合は、黙って聞くに限ります。聞く耳を持ってる場合でもどう話すか?は大切になります。例えばいきなり「無常だ」と言ってもその人の「無常観」が先にたつと話にならなくなります。これは極端な例ですが、誤解を防ぐためには、状況を把握してからつまり回り道をして話した方がいい場合が結構あるからです。これは「正語」が基盤になってます。技術などはついてくるものなので、先にコミュニケーション技術の向上を考えるより優れていると思います。これは多くの失敗から確信したことで、今は実践あるのみです。とにかく「八正道」は普段の仕事や人間関係をサポートしてくれます。有難うございました。
あっきん
2009年07月16日 07:40
おはようございます。
就職するには、進路を定めないとなかなか決まらない。
生きるうえでの方向性は、八正道。
お金を稼ぐ事だけが仕事でないですね。真の幸せを問いかけている感じがします。
髙橋優太
2009年07月16日 08:13
ワンギーサ先生、皆様、おはようございます。
ワンギーサ先生、昨日はメール、ありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします。
身の丈修行者
2015年05月30日 10:26
ワンギーサ長老の分かりやすい本文・解説の「食べるための仕事は人間の副業であり、心を育てることが人間の本業である。」心に響きます。
時間・労力・お金は限りがある中で浪費しないように「それは心を育てることに繋がるのか?」の視点でその時々で確認し、その問いに合った事を実践して参りたいです。

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