確信と道徳があり名声と富のある人尊敬される

ダンマパダ 303

確信があり戒を守る
名声と富のある人は
訪ねる所はどこでも
その土地土地で尊敬される


○この詩から学ぶこと

 この詩の初めの言葉は「確信」ですが、パーリ語ではSaddhoです。この言葉は普通、信とか信仰と訳されます。しかし、仏教には、理解のない信とか信仰はないのです。そのことを明確にするために、確信と訳しました。では何に確信するのでしょうか。それは、仏陀と法(真理)と僧団に対する確信です。仏陀が人類未踏と最高の真理(法)を発見し、その発見によって生命は苦しみから脱出できるのだという確信です。仏陀の説かれた法は、完全で、実証できる、普遍性のある、確かめられる、涅槃に導く、各自が実践すべき教えであるという確信です。また、僧団は、仏陀の教えを正しく実践し、引継ぎ、人々に法を広め、尊敬できるものであるという確信です。

 次の「戒」とは道徳のことです。道徳は人々を不幸にならないようにする道しるべなのです。道徳さえ守っていれば、不幸になりません。幸福になります。仏陀の説かれた5つの道徳は次の通りです。1.生き物を殺さない。2.与えられてないものを取らない。3.邪な行為をしない。4、嘘をつかない。5.酒などの人を酔わせるものを飲まない。これさえ守っていれば不幸にならないのです。

 1.生き物を殺さない。蚊やゴキブリも殺さない。今まで、蚊やゴキブリは無条件に殺していたのではないでしょうか。しかし、蚊もゴキブリも生き物で、彼らも死にたくないと必死に生きているのです。そのようにすべての生命に心を向けると慈しみの心が生まれます。心に慈しみが生まれると人間関係がよくなります。私たちの悩みの多くの部分は人間関係にありますから、人間関係が改善されると悩みがなくなります。悩みがなくなれば、幸福になります。

 2.与えられてないものを取らないことで、不幸にならないのです。これは分かりやすいですね。取ることは犯罪になります。犯罪であれば、罰せられて、不幸になるのです。

 3.邪な行為をしない。不倫をしないことです。男女の愛情は信頼の上になりったっているのです。お互いの信頼を壊せば、愛情も壊れます。相手の愛情を求めているのに、不倫をすれば愛情は壊れます。求めるものは得られずに不幸になるのです。反対にお互いの信頼が強くなれば、愛情は深まり、幸福を実感できるのです。

 4、嘘をつかないこと。嘘をつくことで、不幸になった例をこの数年の新聞をみれば直ぐ分かります。嘘で会社が倒産した例を数多く見てきました。嘘で不幸になるのです。それでも、嘘は止まりそうではありません。嘘で、目先を取り繕うとするのでしょうが、それは決してできないのだと知る必要があるのです。逆に嘘をつかないようにがんばることで、智慧がでるものなのです。その智慧で人々は幸福になるのです。

 5.お酒を飲まないこと。お酒さえ飲まなければ、あんなことにはならなかったのにと思われる事件も新聞を賑わせました。中川蔵相の事件、その他、酒飲み運転、ひき逃げ事件、お酒は人々を不幸にするのです。注意する必要があります。
 次は名声と富についてです。名声と富は努力すれば得られるといものではないのです。これは、世の中を少し見れば分かると思います。確信を持ち、戒を守っている人は不幸にならず、幸福になるとは思いますが、名声を得て、富、財産が得られるとは限りません。釈尊は、名声や富は前世あるいはその前の世でどれだけ善行為をしたかどうかで決まると仰られています。今生の努力が結果を生む場合もありますが、結果を生まない場合もあります。しかし、努力の結果はいずれ現れます。これが因果法則です。

 仏法僧への確信を持ち、道徳を守り、名声と財産のある人はどんな地方に行っても、人々から尊敬されるのです。それらの人はそれだけの徳(功徳)が備わっているのです。前世の徳の少ない人は、名声や財産は望めませんが、確信を持ち、道徳を守れば幸福になれます。また、確信と道徳は功徳になりますから、来世での名声と富につながります。しかし、それ以上に大切なことは、今生で修行を完成させ、輪廻から脱出することです。 

○前回の「この詩から学ぶこと」

http://76263383.at.webry.info/200809/article_21.html
 確信があり戒を守って富ある人は尊敬される

○少しでもブッダの肉声に近づくために(カタカナを3回音読して下さい。)

サッドー スィーレーナ サンパンノー
Saddho   sīlena      sampanno,
確信と    戒を       備えて
ヤソーボーガサマッピトー
yasobhogasamappito;
名声 富 備えている人は
ヤン ヤン  パデーサン バジャティ
Yaṃ  yaṃ  padesaṃ    bhajati,
その その 地方を     親近する
タッタ タッテーワ  プージトー
tattha  tattheva    pūjito.
そこ  そこのように 尊敬される人

○確信と道徳があり名声と富のある人尊敬される

~私は幸せでありますように~
~私の親しい人々が幸せでありますように~
~生きとし生けるものが幸せでありますように~

この記事へのコメント

ワンギーサ
2009年07月30日 23:27
ある方から、302番の詩の解説において、誤解される恐れがあるという御指摘を受けましたので、赤字で修正しました。御指摘ありがとうございました。今後は私のメールにご意見を頂くとありがたいと思います。アドレスはトップに記載してあります。
髙橋優太
2009年07月31日 00:00
ワンギーサ先生、皆様、こんばんは。しっかり勉強します。慈悲の心を育てます。ありがとうございました。
2009年07月31日 05:09
ワンギーサさん、おはようございます。こんなところにも仏蛇の智慧の鋭さ、深さ、人智を越えたものを感じます。私の個人的な経験ですが、まず「五戒」の実践がありました。少し余裕が出てくると「道徳はなぜ成り立つのか。それは普遍的に成り立つか」を検証したりしました。その理解でさらに実践すると「五戒」は当たり前になり、生活に迷いが減り、無駄が省けて楽になりました。しかし、状況次第でキツく感じることがあります。何度か経験するうちにその原因が「渇愛」であるとわかりました。「五戒」を守れない状況は明らかに「苦しい」ので、「渇愛から苦しみが生まれる」ということが実感できます。そして本来は「楽」に生きたいので、「苦しみの原因」てある「無明と渇愛」をなくすために「八正道」を実践すべきと自分で納得できます。個人的な意見ですが、仏蛇の智慧はありとあらゆるところに張り巡らされてるように思います。有難うございました。
2009年07月31日 05:30
高橋優太さん、おはようございます。
2009年07月31日 07:29
上記コメントの「仏蛇」は「仏陀」の誤字でした。失礼いたしました。
トウカイノ・・・
2009年07月31日 10:04
 プージヨー   ヨー
 pūjito.     トー
どちらですか?
ワンギーサ
2009年07月31日 10:55
トウカイノ・・・様
御指摘ありがとうございました。
プージトーです。本文も訂正しました。
あっきん
2009年07月31日 12:53
こんにちわ。
蝉の声が聞こえて夏らしくなってきましたね。
本題なのですが、リーダーになる人ほど道徳が必要。
しかし、このプログを見たり勉強してないと当たり前ですが五戒を知らないのです。生活する上でたまにその考え方について人とのギャップを感じたりします。自分の為に心をキレイにします。そうすれば、廻りめぐり周囲にもプラスになるかもしれない。
ツヨシ
2009年07月31日 18:09
修行してみます。
身の丈修行者
2015年06月04日 06:16
ワンギーサ長老の分かり易い本文・解説の「確信を持ち、道徳を守れば幸福に・・確信と道徳は功徳になり・・それ以上に大切なことは、今生で修行を完成させ、輪廻から脱出することです」心に響きます。
心の成長をさせたいとの気持ちがありましたが、明確に輪廻から脱出したいと実践出来るようになりたいです。 

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