75.一つは利得の道、一つは涅槃に至る道

ダンマパダ 第5章 愚か者 75

阿羅漢であり正自覚者であり福運に満ちた世尊に敬礼致します


「確かに利得に資する道と
涅槃にいたる道とは異なる
このようにこれを了解し
仏の弟子である比丘は
尊敬されても喜ばず
遠離(おんり)を修習するがよい


(片山一良先生 訳)


〇超訳の試み

人生は選択の連続だ
一つは利得に導く道
一つは涅槃に至る道
仏陀の弟子の比丘たちは
利得の道を選ばずに
涅槃への道を選ぶ


〇子供のためのダンマパダ

君はどちらを選ぶかな
目覚まし鳴った、起きるか、起きないか
今日は寒いが、顔を洗うか、洗わないか
朝ごはん、食べるか、食べないか
登校時間だ、行くのか、行かないか
友だちと仲良くするのか、しないのか





〇一口メモ

 この詩が因縁物語によれば、裕福な家庭に生まれたティッサは、7歳のときサーリプッタ長老のもとで出家しました。ところが彼の多くの親族や信者の供養と来訪に煩わされ、それが修行の妨げになりました。そのためティッサはサーリプッタ長老に願って、森に入って黙々と修行に励み、阿羅漢にまでなりました。寺にいて供養を受けて、尊敬されることは、利得の道ではありましたが、ティッサは、尊敬されることを望まず、森に入り、人里から離れる、煩悩から離れる、五蘊から離れるという遠離を修習する涅槃の道を選んだのです。

 私たちはなにげなく、日々の生活を送っています。しかし、実は大切な選択の連続なのです。その一つ一つの選択の積み重ねによって、幸福にも不幸にもなるのです。道徳を守るかどうか、一瞬の選択で決まります。嘘をつくかどうか、相手をだまそうとするような大胆な気持ちはなくとも、ちょっとした見栄で、年を若く言ったりします。でも嘘は言わないようにする人はそのようなことにも注意するものです。

 瞑想中も選択の連続です。注意深く、身体の動きや、感覚を観察するのか、妄想を選択するのかです。一瞬一瞬の真剣勝負です。

 子供にも、日々の生活を自覚的に選択する習慣をつければ、心の強い、頭のいい子になると思います。

 朝日ニュースターという番組にスマナサーラ長老が出演されましたが、そのビデオを今日見ました。長老の閉めは、不登校の少年への質問の話でした。それは「学校に行くのも苦しい、家に引きこもるのも苦しいのだったら、どちらの苦しさを選ぶのか?」というものでした。少年も子供も大人もしっかり選択することで、成長するのです。


〇前回の「この詩から学ぶこと」

比丘たちは利得を捨てて涅槃取り 尊敬望まず離れて学ぶ
http://76263383.at.webry.info/200902/article_21.html


〇パーリ(語)原文

75.
アンニャー ヒ  ラーブーパニサー
Aññā     hi   lābhūpanisā,
他の    実に 利得に導く方法
アンニャー ニッバーナガーミニー
aññā      nibbānagāminī;
他の     涅槃に至る道
エーワメータン アビンニャーヤ
Evametaṃ     abhiññāya,
このように     よく知って
ビック   ブダッサ  サーワコー
bhikkhu  buddhassa  sāvako;
比丘は  ブッダの   弟子は
サッカーラン ナービナンデッヤ
Sakkāraṃ    nābhinandeyya,
尊敬を     喜ばずに
ウィウェーカマヌブルーハイェー
vivekamanubrūhaye.
遠離を修習するもの

〇今回の詩のパーリ語について、日本テーラワーダ仏教協会のホームページに「ダンマパダ輪読会 文法事項のまとめ( 記録文責;柴田尚武 先生 )」がありますので是非御参照下さい。
http://www.j-theravada.net/sakhi/Dhp64-75.pdf


~生きとし生けるものが幸せでありますように~
~生きとし生けるものの悩み苦しみがなくなりますように~
~生きとし生けるものの願いごとが叶えられますように~
~生きとし生けるものに悟りの光が現れますように~



◎お願い:今回の詩に共感された方は、ページ右上の『仏教』をクリックをお願いします。そうすると、仏教ランキングのランクが上がります。ランクが上がると多くの人の目に留まりやすくなり、ダンマパダの認知度が高まるからです。


◎お知らせ:私ワンギーサは、今年12月28日から12月31日まで、熱海仏法学舎における宿泊瞑想会に参加することになりましたので、その間、ブログ「困った時はダンマパダ」はお休み致します。来年1月1日より再開する予定です。

 
   2010年1月10日(日) 新春初期仏教講演会のお知らせ
お釈迦様が説く、幸福の「縁起」論── 無知の「無限軌道」の、切断ポイント

講師 アルボムッレ・スマナサーラ長老

日時 2010年1月10日(日) 18:40 受付開始 19:00 開演 21:00 終演

NHKラジオ深夜便「こころの時代 怒らない生き方」出演で話題のアルボムッレ・スマナサーラ長老。2010年初となる講演会のテーマはズバリ「縁起」。 仏教のエッセンスとされながらも、イマイチ難しそうな「縁起の教え」を私たちの日々の生活にいかして、幸福に生きる秘訣を探してみましょう。

■会場 文京シビック小ホール(文京シビック2F 定員371名)
■最寄駅 東京メトロ後楽園駅 4bまたは5番出口 徒歩3分/都営地下鉄春日駅(連絡通路)徒歩3分
■参加費 無料(ご喜捨)※予約は必要ありません
■主催・問合せ 日本テーラワーダ仏教協会
Tel: 03-5738-5526 Mail: info@j-theravada.net

この記事へのコメント

2009年12月26日 04:07
ワンギーサさん、おはようございます。人生は確かに「選択の連続」ですね。しかし、選択に自信がない場合は、人の評価が判断基準になります。裏を返せば、選択に自信が持てれば、他人の評価が気にならない。ということになるかと思います。つまり、「道徳的に」生きていれば、正しい選択ができ、周囲の評価に惑わされない。ということになるかと思います。あくまで私の経験から言えることですが、「俺には俺のやり方があるさ」とただ闇雲に気負ってみても、心中心細く、やはり他人の目が気になるものです。しかも、そうした場合の選択肢(潜在的選択)も多くなります。他人の考えは様々だからです。しかし、「道徳的に」生きようと努力すると、せいぜい多くて二者択一になってきます。人生は短く、いつ死ぬかわからないという事実を前提とした場合、常に「正しい選択」ができるようになりたいものです。有難うございました。
あっきん
2009年12月26日 11:07
1/10の選択は仕事だから講演会に行かないとしました。私的この選択、正見が大切だと思います。いろいろな解釈してしまうが、正しく事実をとらえ行動すると失敗しないのでないかと感じます。
偉そうかな~ 心は偉くなくいい加減だから調教しないとね。
ワンギーサ先生よいお年を!
生きとし生けるものが幸せでありますように。
こころざし
2015年07月27日 07:11
本文の「私たちはなにげなく、日々の生活を送っています。しかし、実は大切な選択の連続なのです。その一つ一つの選択の積み重ねによって、幸福にも不幸にもなるのです」心より共感致します。
毎日の日常、注意していないと放逸で過ぎてしまいます。真剣に一瞬を大事にしていきたいです。
たか坊
2016年08月08日 08:17
今回も
明るく楽しく学べたコトを嬉しく思います♪

この記事へのトラックバック