緊張感 持って悪避けて 確信と 戒と精進・智慧を備えよ(144)

阿羅漢であり、正自覚者であり、福運に満ちた世尊に、私は敬礼いたします。


アッソー  ヤター  バドゥロー  カサーニウィットー
Asso    yathā   bhadro    kasāniviṭṭho,
馬の    ように   善い     鞭を当てられた

アーターピノー  サンウェーギノー  バワータ
ātāpino       saṃvegino      bhavātha;
熱心で      厭離心で       あるように

サッダーヤ  スィーレーナ  チャ  ウィリイェーナ チャ
Saddhāya   sīlena      ca   vīriyena     ca,
信で     戒で     また  精進で     また

サマーディナー  ダンマウィニッチャイェーナ  チャ
samādhinā     dhammavinicchayena      ca;
禅定で       法の決定で          また

サンパンナウィッジャーチャラナー  パティッサター
Sampannavijjācaraṇā        patissatā,
明と行を供えて           気づきある人は

パハッサタ   ドゥッカミダン  アナッパカン
pahassatha   dukkhamidaṃ  anappakaṃ.
捨てるだろう  苦を  この   少なくない


○直訳
鞭を当てられた善い馬のように       
熱心で、厭離心で、あるように
信で、戒で、また精進で
また禅定で、法の決定で
明と行を供えた 気づきある人は
この少なくない苦を捨てるだろう


○意訳
善い馬はムチを当てられると身体中に緊張感がひろがります。
そのように、情熱をもって、汚れた世俗の世界を嫌い、聖なる道を進むように、
その際、ブッダの教える道をよく理解し、確信(信)をもって、
道徳(戒)によって、精進によって、
集中力によって、真理を見定めれば、
智慧と聖者の実践を完成した悟った人になるでしょう。
そうすれば、すべて苦しみがなくなるでしょう。


○一口メモ
上の「明と行」については、ブッダの場合は八明と十五行を完成したと言われていますが、ブッダ以外の阿羅漢はそこまでの明と行を完成しなくとも、すべての苦しみがなくなっています。

八明とは次の通りです。
①観智:名(心)と色(身体)の無常、苦、無我をはっきり見ることができる智慧
②意所成神変智:自分の思い通りにできる智慧
③紳変智:一身、多身などを化作すること、空に飛び上がる、地下のもぐることのできる智慧
④天耳智:天人の耳のように遠くも声や小さな声を聞ける智慧
⑤他心智:他人の心を読める智慧
⑥宿住智:自分と他人の前世のことを知ることのできる智慧
⑦天眼智:天人のように肉眼で見えない遠い所や微小なものをみることができる智慧。
⑧漏尽智:あらゆる煩悩を滅し尽くす智慧。

十五行とは次の通りです。
①戒律儀:戒律を守ること
②根律儀:貪欲、怒り、無知などの煩悩が起こらないように、眼、耳、鼻、舌、身、意の六根を守ること。
③食物において適量を知ること。
④不眠の努力:眠らないで努力すること。
⑤信:仏法僧の三宝および因果法則を信じること
⑥慚:悪事をすることを内心に恥じること 
⑦愧:悪事をすることを外部に恐れること
⑧博識:知識が広い分野に及んでいること
⑨精進:励み努めること。ひたすら善を行い、悪を断つこと。
⑩念:気づきを忘れないこと。
⑪慧:智慧で理解すること。
⑫初禅:欲を離れ、不善の法を離れ、尋伺があり、障害の離より起こる喜楽のある境地
⑬第二禅:尋伺のない、定より起こる喜楽のある境地
⑭第三禅:喜を離れ、捨のあり、念があり、正知があって、身によって楽を感受する境地
⑮第四禅: 楽を離れ、苦を離れるがゆえに、喜と憂とが滅したために、苦楽がなく、捨によって念が浄まっている境地
(初禅から第四禅は、アビダルマの定義ではなく経典による定義です。)

143番と144番の詩が「暴力(棒)の章」に置かれているのは鞭(ムチ)が暴力に関連しているからだと思います。


「緊張感 持って悪避けて 確信と 戒と精進・智慧を備えよ」


○この詩の解説は次の記事を参考にしてください。
http://76263383.at.webry.info/200904/article_9.html
http://76263383.at.webry.info/201002/article_16.html


○人生の万能薬(慈悲の瞑想)

私(私の親しい人々、生きとし生けるもの)は(が)幸せでありますように
私(私の親しい人々、生きとし生けるもの)の悩み苦しみがなくなりますように
私(私の親しい人々、生きとし生けるもの)の願いごことが叶えられますように
私(私の親しい人々、生きとし生けるもの)に(にも)悟りの光があらわれますように

私の嫌いな人々(私を嫌っている人々)も幸せでありますように
私の嫌いな人々(私を嫌っている人々)の悩み苦しみがなくなりますように
私の嫌いな人々(私を嫌っている人々)の願いごことが叶えられますように
私の嫌いな人々(私を嫌っている人々)にも悟りの光があらわれますように

*この言葉を毎日唱えると幸福になれます。


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この記事へのコメント

とも
2012年07月24日 07:02
おはようございます
 八明の空を飛ぶ、地下に潜るなどの能力にちょっとあこがれますが、欲(笑)
 緊張感を持って実践していきます。
2012年07月24日 07:43
おはようございます。この偈に関わりのあるSam.vega(男性名詞)の単語の意味(水野辞書)に「おそれ、感動、厭離心、宗教心」といろいろあるのが興味深く感じました。

「明と行を供えた 気づきある人は
この少なくない苦を捨てるだろう」

良い偈ですね。
やはり理性のある人が修行して結果を出すという事ですね。
あすか
2012年07月24日 09:16
Power up Your Lifeを読んでいます。
本を読み、今日の偈を読み、
やっぱり今何をするかが大切なんだと
あらためて日々の精進を誓いました。
道は長いですが^^;がんばります。


まだまだ道は長いですが
精進します。^^;
noritarou
2012年07月24日 10:51
毎日、天気によっても気分は左右されます。慈しみの心を育てて日々、やさしい気持ちでありたいと思います。
また、気分は記憶にも左右されると思います。

>緊張感 持って悪避けて
とありますが、紛争や真実の歴史など世界情勢を知ると、苦しみが出てきます。どんな非人道的な行為も私と同じ人間がやっていることです。欲望にとらわれた心はどこまでも信じられない行為をします。潜在的に私は意識的に被害者にも加害者にもなりえます。でも、どちらにも幸福がないことをしります。悪を避けるとは、情報を避けることではなく、清らかな道を目指すべきだと理解することだと思いました。
カエルくん
2012年07月24日 14:23
こんにちは。

八明も十五行も、数だけでなく、順番も大切なのかな、と思いました。
食べるもの適量を知る、でつまずいています。眠ることが大好きなので、その次の不眠の努力も厳しいです。でもここをクリアしないと、最後の禅定まで進むことができないのだろう、と思いました。
こころざし
2015年11月23日 08:44
日常は気を付けないと放逸の状態でさっと時間が経過してしまいます。今のこの瞬間を大事にする姿勢・ある程度の緊張感の必要性を感じます。
放っておくと容易に怠けに走る自分ですので、念を持って参りたいです。