大楽を 満たすためなら 賢人は 小さな楽を 捨て去るだろう(290)

○子供のためのダンマパダ。
・・・
はじめはやさしい問題をやる。
次は少し難しい問題をやる。
その次はかなり難しい問題をやる。
楽しみはだんだん大きくなりますよ。


○パーリ語原文と訳語

マッタースカパリッチャーガー
Mattāsukhapariccāgā ,
少量の 楽を あまねく捨てる

パッサー  チェー  ヴィプラン  スカン
passe    ce     vipulaṃ   sukhaṃ;
見る    もし   広大な    楽を

チャジェー  マッタースカン  ディーロー
Caje      mattāsukhaṃ   dhīro,
捨てる    少量の 楽を   賢者は

サンパッサン  ヴィプラン  スカン
sampassaṃ   vipulaṃ    sukhaṃ.
正観する    広大な    楽を


○直訳
少量の楽をあまねく捨てる
もし広大な楽を見る(ならば)
広大な楽を正観する賢者は
少量の楽を捨てる


○意訳
少量の安楽を捨てることで
広大な安楽を見るならば
広大な安楽を求める賢者は
少量の安楽を捨てるだろう


○一口メモ
仏教は中道(八正道)を教えるもので、もちろん欲の楽しみを勧めませんが、苦労を進めるものではないのです。仏教は「苦労しないで楽に達する道」が説かれているのです。

 苦労しないで、小さな楽しみをこなしながら、だんだん大きな楽しみに挑戦するのです。例えば、「子供のためのダンマパダ」に書きましたように、勉強はやさしい問題から始めて、だんだん難しい問題に挑戦するのです。はじめはやさしい問題でもできれば、うれしいものです。しかし、いつまでもやさしい問題では楽しみがなくなります。次は少し難しい問題に挑戦するのです。

八正道でこのことを調べてみましょう。

始めは正見です。正しい見解を身に付けることです。四聖諦を理解することです。①生きることは苦であること。②苦の原因は渇愛(喉の渇きのような欲望)であること。③渇愛をなくすことで苦をなくすことができること。④苦をなくす方法(八正道)。この四つを理解するだけですから別に苦しいわけではありません。

次は正思惟です。①欲の考えを持たないこと。②怒りの考えを持たないこと。③害意のある考えを持たないこと。これは理解するだけでなく、自分の感情と戦わなければならないので、少し難しくなります。しかし、考えを変えるだけですから、たいしたことはないのです。

その次は正語です。間違った言葉の使い方をしないことです。これはただ考えを変えるだけでなく、話すという行為を変えなければならないので、少し難しくなります。しかし、正思惟ができていれば、それほど難しくないはずです。

正業は、身体による行為を正しくしなければならないので大変です。特に習慣になっている身体の行為を変えるのは大変です。そのための努力が必要です。

正命とは、正しい生活態度です。正しい職業です。これは、正思惟、正語、正業の上になりたちますから、だんだん難しくなってきます。

正精進は正しい努力です。正思惟、正語、正業を繰り返し、繰り返し実践する努力です。

正念は、以上の実践には、身受心法(身体、感覚、心、法則)を、熱心に、気づき、正しく知ることが必要なのです。また以上の実践においてこのような正念を実践することができるのです。しかし、正念の実践は八正道の七番目ですから、また熱心に、気づき、正しく知ることを常に、怠けることなく実践することは簡単ではないのです。

正定は八正道の最後の課題です。第一禅定から第四禅定まであります。正念を繰り返し実践し、繰り返し瞑想実践をすることによって自動的に進むのです。それは自転車や水泳の練習のように、今までできなかたことがある時、急にできるようになるようなものです。これも生易しいことではありません。しかし、これができた時の喜びは大変なものです。

正定で終わるのではありません。初めの八正道は道徳のある立派な人格を育てるものですが、次は高次な八聖道に進むのです。涅槃に向かう八聖道に進むのです。新たな高次な課題です。難しくなりますが楽しみも大きいのです。既に、正定で欲から離れた楽しみを経験していますが、高次の目標も視野に入ってきたのです。

言葉の説明が最後になりましたが、「大きな楽」とは涅槃のことです。「小さな楽」とは世間の言う楽のことです。


大楽を 満たすためなら 賢人は 小さな楽を 捨て去るだろう(290)


○スマナサーラ長老のこの詩に関する御説法
*苦労しないで楽に達する道 ~大楽をえるために小楽を捨てる~
http://www.j-theravada.net/howa/howa173.html


○この詩の解説は次の記事を参考にしてください。
*290.賢者は大きな楽を見て小さな楽を捨てるべし
http://76263383.at.webry.info/201006/article_2.html
*大楽を満たすためなら賢人は小さな楽を捨て去るだろう
http://76263383.at.webry.info/200907/article_24.html
*大きな欲を満たすためなら小さい欲は捨てられる
http://76263383.at.webry.info/200809/article_10.html


○人生の万能薬(慈悲の瞑想)

私(私の親しい人々、生きとし生けるもの)は(が)幸せでありますように
私(私の親しい人々、生きとし生けるもの)の悩み苦しみがなくなりますように
私(私の親しい人々、生きとし生けるもの)の願いごことが叶えられますように
私(私の親しい人々、生きとし生けるもの)に(にも)悟りの光があらわれますように

私の嫌いな人々(私を嫌っている人々)も幸せでありますように
私の嫌いな人々(私を嫌っている人々)の悩み苦しみがなくなりますように
私の嫌いな人々(私を嫌っている人々)の願いごことが叶えられますように
私の嫌いな人々(私を嫌っている人々)にも悟りの光があらわれますように

*この言葉を毎日唱えると幸福になれます。


~~~~~お知らせ~~~~~

◎10月30日雨安居は終了しましたが、ワンギーサがゴータミー精舎に滞在中は
朝5時から7時まで及び夜7時から9時までのゴータミー精舎での自主瞑想会は
毎日行います。ふるって参加して下さい。但し木曜の夜は、瞑想会は休みます。
詳細はワンギーサの携帯番号090-2311-9317に御連絡下さい。

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この記事へのコメント

才木広之
2012年11月26日 12:19
ブッダの教えは最強

執着、固執、自分、
全てに勝てる筈です

ずるをしない限り
あすか
2012年11月26日 17:58
目先のほんの一瞬の快楽のために
あとあと苦しむより、
おだやかな心でいられる方が
どんなに幸せでしょう。

ひとつ課題をクリアすると
また次の課題が。
大変?いえいえ。まるでゲーム。
次のステージにステップアップ。
前向きに楽しく取り組んでいきます。
カエルくん
2012年11月26日 18:23
こんばんは。
今日の八正道の説明、すごく分かりやすいです。ありがとうございます。
あとは実践あるのみですね。
精進します。
ささ
2012年11月26日 20:30
こんばんは。
実際は進んだり戻ったりしていますが…^^;子どものためのダンマパダのように、少しずつでも進んでいけたらと思います。
MK
2012年11月26日 23:59
こんばんは。
嘘をつかない様にするとき、正業が整っていないといけないということに最近気づきました。
怠けや悪習慣による失敗を問われたとき、余計なプライドで嘘をついてしまいます…。
誰に何を聞かれても、嘘をつかなくても良い様に、身体の行いを整えなくてはいけません。努力します。
こころざし
2016年01月03日 12:47
目の前の今の状態に満足せず、実践しながらより成長出来るように精進したいです。
八正道をやってます・・とはとても言えないですが、悪行為はしないように注意しながら、出来る事からやって参りたいです。