概念を 燃やし尽くした 修行者は この世あの世を ともに捨て去る<7>

○少年少女のためのスッタニパータ7
・・・
足の踏み場のないような、
部屋の様子は、
頭の中と同じです。
いらないものはすぐに捨て、
部屋も頭も整理しよう。


7.第1 蛇の章7. 

○スマナサーラ長老訳
自分の心の中でよくよく考えて
作り出した概念、想念を
焼き尽くした修行者は
蛇が脱皮するように
この世とかの世とをともに捨て去る。


○中村元先生訳
想念を焼き尽くして余すことなく、
心の内がよく整えられた修行者は、
この世とかの世とをともに捨て去る。
──蛇が脱皮して旧い皮を捨て去るようなものである。


○正田大観先生訳
彼の、諸々の思考が砕破され、
内に、残りなく、善く整えられたなら、
その比丘は、此岸と彼岸を捨てる
──蛇が老化した旧皮を〔捨て去る〕ように。


○パーリ語原文
ヤッサ  ウィタッカー  ウィドゥーピター
Yassa   vitakkā     vidhūpitā,
彼の   諸々の思考が  破壊され   

アッジャッタン  スウィカッピター  アセーサー
ajjhattaṃ     suvikappitā      asesā;
内に       よく整えられた    残りなく

ソー  ビック   ジャハーティ  オーラパーラン  
So    bhikkhu  jahāti      orapāraṃ,
その   比丘は  捨てる     この世あの世を

ウラゴー  インナミワッタン  プラーナン
urago    jiṇṇamivattacaṃ   purāṇaṃ.
蛇が    老化した皮     古い     


○一口メモ
この偈の訳において、スマナサーラ長老訳と中村元先生及び正田大観先生の訳では微妙に違いがあります。
スマナサーラ長老は、よくよく考えて概念・想念を焼き尽くすとしていますが、中村先生と正田先生は、思考・想念を破壊して、心を整理するという順序です。

あまり違いがないとも言えますが、長老は概念・想念を焼き尽くすことに重点があり、両先生は心を整理することに重点があるように思えます。どちらでもよいのでしょう。

いずれにせよ概念・思考・想念(vitakkā)を破壊しなければいけません。概念・思考・想念が心を混乱させるのですから。スナナサーラ長老は御自身の著書「原訳『スッタニパータ』蛇の章」において概念の問題点について詳しく書かれておりますが、ここでは注釈書に従って、概念・思考・想念(vitakkā)の意味を具体的に列挙してみます。

①欲の思い、②怒りの思い、③加害の思い、④親族への思い、⑤国への思い、⑥不死の思い、⑦他人への愛情に関する思い、⑧利得・尊敬・名声を得たい思い、⑨軽蔑されないための思い。

八正道の正思惟は①②③がない思いを言います。⑧⑨はいわゆる八世間法に関する思いです。
八世間法については次のダンマパダ81番を参照してください。

岩山は 風が吹いても 動かない 非難賞賛 何するものぞ(81)
http://76263383.at.webry.info/201205/article_26.html

これらの思い(vitakkā)を焼き尽くす、破壊することは簡単なことではありません。しかしそれを完成して、心が整理されている人は悟った人なのです。

概念を 燃やし尽くした 修行者は この世あの世を ともに捨て去る<7>


○人生の万能薬(慈悲の瞑想)

私(私の親しい人々、生きとし生けるもの)は(が)幸せでありますように
私(私の親しい人々、生きとし生けるもの)の悩み苦しみがなくなりますように
私(私の親しい人々、生きとし生けるもの)の願いごことが叶えられますように
私(私の親しい人々、生きとし生けるもの)に(にも)悟りの光があらわれますように

私の嫌いな人々(私を嫌っている人々)も幸せでありますように
私の嫌いな人々(私を嫌っている人々)の悩み苦しみがなくなりますように
私の嫌いな人々(私を嫌っている人々)の願いごことが叶えられますように
私の嫌いな人々(私を嫌っている人々)にも悟りの光があらわれますように

*この言葉を毎日唱えると幸福になれます。


~~~~~お知らせ~~~~~

◎ゴータミー精舎では毎日朝晩、自主瞑想会を行っています。
朝5時から7時まで、および夜7時から9時まで。
但し、木曜日夜7時から9時までの自主瞑想会は休みます。
変更のある場合はこの「お知らせ」で、あらかじめ報告します。
詳細はワンギーサの携帯番号090-2311-9317に御連絡下さい。


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この記事へのコメント

あすか
2013年04月07日 08:41
何かについて、考えなさい、
ならばやりやすいのですが、
逆の、思いを手放すというのは、
大変難しいです。
時麿
2013年04月07日 09:01
高度経済成長期を過ごした団塊の世代にあたる親たちが、モノを捨てられず困っています。
仏陀の智慧に触れられるよう、いろいろ話したり、著書を勧めてみるのですが、効果なし。
「縁無き衆生は度し難し」との言もありますが、少しでも人間として生きる意味を考えて欲しくて悶悶とする日々です…。
勿論、自分もこの偈を戒めとして、意識して日常を過ごしています。…完全ではありませんが(苦笑)。努力します。
カエルくん
2013年04月07日 11:06
こんにちは。
朝、少年少女のためのスッタニパータを読み、部屋の片付けを始めました。かなり思いきって、様々な物を処分中です。
持ち物が減ると、頭の中が片付く気がします。
ささ
2013年04月08日 01:42
荷物も何もない部屋が確かに掃除もしやすく、整える必要もないですものね。悟った人の心の中は掃除しなければいけない部屋さえもない状態なんだろうなぁと思いました。
いらないものを捨てる事はもちろんですが、いらないものを持ちこまない事も大事かもとも思いました。
こころざし
2016年02月15日 06:08
概念・思考・想念的なものは、何時も自分の中にあります。そして、新しいそれらを得る事が何か成長したような錯覚になり安心しています。その為以前は良かった価値観がゴロっと変わったりします。
そのようなものは捨てて、概念・思考・想念自体を持たない様な・捨てれる状態になりたいです。
たか坊
2016年04月30日 15:07
今回も、
明るく学べたコトを嬉しく思います♪
コツコツ励み焦らず精進します!