貪瞋痴(トンジンチ) 束縛離れ 死をも恐れず 一人で歩く<74>

○少年少女のためのスッタニパータ74
・・・
欲張らないこと。
怒らないこと。
ばかにならないこと。
難しいけれど、
チャレンジしよう。


74.第1 蛇の章 3.犀の角経 40

○毎田周一先生訳
貪りと怒りと無知とを離れ
縛りつけるものを絶ち切り
いのちを失ふことを怖れることなく
犀の角のやうにただ一人歩いてゆかう


○中村元先生訳
貪欲と嫌悪と迷妄とを捨て、
結び目を破り、
命の失うのを恐れることなく、
犀の角のようにただ独り歩め。


○正田大観先生訳
貪り(貪)と、怒り(瞋)と、迷い(痴)を捨棄して、
諸々の束縛するものを引き裂いて、
生命の消滅に動じることなく、
犀の角のように、独り、歩むがよい。(40)


○パーリ語原文
ラーガンチャ    ドーサンチャ    パハーヤ   モーハン
Rāgañca       dosañca       pahāya    mohaṃ,
貪欲と        怒りと        捨て      無知を

サンダーライトゥワーナ   サンヨージャナーニ
Sandālayitvāna        saṃyojanāni;
引き裂いて           諸々の束縛を

アサンタサン    ジーウィタサンカヤンヒ
Asantasaṃ     jīvitasaṅkhayamhi,
怖れることなく   生命の消滅を

エーコー   チャレー    カッガウィサーナカッポー
Eko      care       khaggavisāṇakappo.
一人    行こう       犀の角のように


○一口メモ
いよいよ、最後から2番目の偈になりました。この偈が「犀の角経」のまとめの偈です。明日は終わりの言葉になります。

仏教で心を清らかにするために挑戦する課題はまとめると貪瞋痴です。ですからこの偈のテーマは貪瞋痴になります。

貪(貪欲)については、スッタニパータ10偈で述べました。
虚仮(コケ)知って 貪欲離れ 修行者は この世あの世を ともに捨て去る<10>
http://76263383.at.webry.info/201304/article_10.html

瞋(怒り)については、スッタニパータ12偈で述べました。
虚仮(コケ)知って 怒りを離れ 修行者は この世あの世を ともに捨て去る<12>
http://76263383.at.webry.info/201304/article_12.html

痴(無知)については、スッタニパータ13偈で述べました。
虚仮(コケ)知って 無知を離れ 修行者は この世あの世を ともに捨て去る<13>
http://76263383.at.webry.info/201304/article_13.html

この偈の二行目、サンヨージャナーニ(諸々の束縛)については、先日スッタニパータ62番で述べました。
山火事や 網破る魚のごとく 煩悩滅し 一人で歩く<62>
http://76263383.at.webry.info/201306/article_1.html

ここでは貪瞋痴をもう少し細分し、生命を輪廻の世界に結びつけている束縛として10に分類してあります。
1.有身見:「私」という概念が実体のあるものだと思い、肉体と心が自分のものだと誤解していること。
2.疑:仏法僧、因果法則、四正諦、八正道などを疑うこと。
3.戒禁取:無意味な苦行やあらゆる宗教儀式・儀礼。
4.愛欲:五欲に対する渇愛。
5.激怒:異常な怒り。
6.色貪:色界禅定に対する渇愛。
7.無色貪:無色界禅定に対する渇愛。
8.慢:自分を基準にして他者と比べる働き。驕り高ぶり。卑下。
9.掉挙(じょうこ):心が浮つき落ち着きがない。禅定を妨げるもの。
10.無明:すべての煩悩の大本。煩悩の親玉。

さらに、三行目では「命の失うのを恐れることなく」と述べられています。究極の覚悟のように見え,我々から見れば、悲壮感を感じさせますが、すべてをなし終えた方には、特別なことではなく自然な境地なのでしょう。

以上が「犀の角経」のまとめです。この経は過去の辟支仏(独覚)に託して、ゴータマ・ブッダ御自身の御姿、御決意、御行為を、命令形でなく、願望形として、私たちに、私たちの心に染み入るように、美しい詩の形で示して下さいました。この感動を尊敬と感謝の言葉以外では表現できません。


貪瞋痴(トンジンチ) 束縛離れ 死をも恐れず 一人で歩く<74>


○人生の万能薬(慈悲の瞑想)

私(私の親しい人々、生きとし生けるもの)は(が)幸せでありますように
私(私の親しい人々、生きとし生けるもの)の悩み苦しみがなくなりますように
私(私の親しい人々、生きとし生けるもの)の願いごことが叶えられますように
私(私の親しい人々、生きとし生けるもの)に(にも)悟りの光があらわれますように

私の嫌いな人々(私を嫌っている人々)も幸せでありますように
私の嫌いな人々(私を嫌っている人々)の悩み苦しみがなくなりますように
私の嫌いな人々(私を嫌っている人々)の願いごことが叶えられますように
私の嫌いな人々(私を嫌っている人々)にも悟りの光があらわれますように

*この言葉を毎日唱えると幸福になれます。


~~~~~~お知らせ~~~~~~

◎ゴータミー精舎では毎日朝晩、自主瞑想会を行っています。朝5時から7時まで、および夜7時から9時まで。但し、木曜日夜7時から9時までの自主瞑想会は休みます。変更のある場合はこの「お知らせ」で、あらかじめ報告します。詳細はワンギーサの携帯番号090-2311-9317に御連絡下さい。


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この記事へのコメント

櫻井由紀
2013年06月13日 11:49
瞬間瞬間確かめられた覚悟は
普遍的輝きを放つ真珠の様な言葉で
独創的に語られている。
それらの光の珠は
「真理」と言う
無窮の豊饒の海に沈んでおり
宝の地図など無いから
頼れる物は何も無く
死をも恐れずに
自ら潜り挑まないと
発見出来ない一粒一粒であり
また全ての珠粒を発見した時
その深い海底に珠玉と共に
静かに留まるだけなのです。
再び水面に浮かび上がる事は
もう無いのです・・・・・・・・・・

生きとし生けるものが幸せでありますように
こころざし
2016年03月09日 07:21
貪瞋痴が少ない方が生きやすいですし周囲も幸せになると思います。また死を恐れても結局死にます、そのようなものに執着しないようになりたいです。
修行者に分かり易く・心に響くように教えて下さったブッダと、ワンギーサ長老の厚意を心より尊敬し・感謝し、そして自分の成長に繋がるように精進したいです。