葉の落ちた 銀杏(イチョウ)のように 独立し 世間を離れ 一人歩く<64>

○少年少女のためのスッタニパータ64
・・・
頭をそって丸坊主
ダサい色の布巻いて
恥ずかしくはないのですか?
坊主の気持ちは分からない、
一人で行くよ。


64.第1 蛇の章 3.犀の角経 30

○毎田周一先生訳
葉の落ちたパーリチャッタの木のように
世間の生活のしるしを取り去り
出家の衣を身に着けて世間を離れ
犀の角のようにただ一人歩いてゆかう


○中村元先生訳
葉の落ちたパーリチャッタ樹のように、
在家者の諸々のしるしを除き去って、
出家して袈裟の衣をまとい、
犀の角のようにただ独り歩め。


○正田大観先生訳
葉が刈り払われたパーリチャッタ〔樹〕のように、
諸々の在家の特徴を取り払って、
黄褐色の衣[ころも](袈裟)をまとい、〔家を〕出て、
犀の角のように、独り、歩むもの。


○パーリ語原文
オーハーライトゥワー   ギヒビャンジャナーニ
Ohārayitvā          gihibyañjanāni,
取り去って          在家のしるし

サンチャンナパットー   ヤター   パーリチャットー
sañchannapatto      yathā    pārichatto;
覆われた葉         ような   パーリチャットー樹の
カーサーヤワットー   アビニッカミトゥワー
Kāsāyavattho        abhinikkhamitvā,
黄褐色の衣をまとい    出家して

エーコー   チャレー   カッガウィサーナカッポー
eko      care      khaggavisāṇakappo.
一人      行こう     犀の角のように


○一口メモ
既に見ました44番の偈は、今回の64番の偈とよく似ています。中村先生の訳で比べてみましょう。

葉の落ちたコーヴィラーラ樹のように、
在家者のしるしを捨て去って、
在家の束縛を断ち切って、
健き人はただ独り歩め。<44>

葉の落ちたパーリチャッタ樹のように、
在家者の諸々のしるしを除き去って、
出家して袈裟の衣をまとい、
犀の角のようにただ独り歩め。<64>

比べてみるとわかりますが、樹木の種類が異なります。しかし、1行目、2行目の趣旨は同じです。3行目が変わります。44番では「在家の束縛を断ち切って」でありますが、64番では「出家して袈裟の衣をまとい」になっています。64番では、出家して袈裟をまとうという所の行動が具体的になっています。

「袈裟の衣」の持つ意味に関して、ダンマパダ9番と10番で述べられています。参考のために調べてみましょう。

煩悩の 汚れなくさぬ 坊さんは きれいな衣が 似合いませんよ(9)
http://76263383.at.webry.info/201203/article_9.html

煩悩の 汚れをなくす 坊さんは きれいな衣が よく似合います (10)
http://76263383.at.webry.info/201203/article_10.html

衣(袈裟の衣)は出家の象徴なのです。スッタニパータの64番では、在家のしるし(象徴)を捨てて、出家のしるし(象徴)をまとうことが素直に述べられていますが、ダンマパダ9番では、出家のしるしをまといながら、心は在家のままの出家がいることが述べられています。何の目的で出家したのかと言いたいですね。

以上のことは出家者からの立場からの見方ですが、在家から見ればどうでしょうか。在家のときは、それなりの立場の人は立派な衣服を身に着けていました。それがどうでしょう。立派な衣服を捨て、薄汚れた黄褐色の衣を身に着けることなど信じられないことではないかと思います。と言われても出家の立場は出家しかわからないのです。世間が何を言おうと、犀の角のように一人で歩くのです。


葉の落ちた 銀杏(イチョウ)のように 独立し 世間を離れ 一人歩く<64>


○人生の万能薬(慈悲の瞑想)

私(私の親しい人々、生きとし生けるもの)は(が)幸せでありますように
私(私の親しい人々、生きとし生けるもの)の悩み苦しみがなくなりますように
私(私の親しい人々、生きとし生けるもの)の願いごことが叶えられますように
私(私の親しい人々、生きとし生けるもの)に(にも)悟りの光があらわれますように

私の嫌いな人々(私を嫌っている人々)も幸せでありますように
私の嫌いな人々(私を嫌っている人々)の悩み苦しみがなくなりますように
私の嫌いな人々(私を嫌っている人々)の願いごことが叶えられますように
私の嫌いな人々(私を嫌っている人々)にも悟りの光があらわれますように

*この言葉を毎日唱えると幸福になれます。


~~~~~~お知らせ~~~~~~

◎昨日で、熱海の瞑想合宿は終了しました。また、今日からはゴータミー精舎での朝晩の自主瞑想会を再開します。ふるって参加してください。

◎ゴータミー精舎では毎日朝晩、自主瞑想会を行っています。朝5時から7時まで、および夜7時から9時まで。但し、木曜日夜7時から9時までの自主瞑想会は休みます。変更のある場合はこの「お知らせ」で、あらかじめ報告します。詳細はワンギーサの携帯番号090-2311-9317に御連絡下さい。


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この記事へのコメント

櫻井由紀
2013年06月03日 12:13
究極的な約束を果たし得た賢者は
最高最上の色彩
太陽の色、稲穂の色に
ふんわりとやわらかく包まれて
その晴れ晴れとした心が
布に反射して高貴な光を放っている。
果たし得ていない約束ばかりの己の過去は
未だ薄暗くて弱くてほとんど見えない位の
悟りの光で、燃やせるだけ燃やして灰にし
最強の太陽の光に導かれて行きたいです。
こころざし
2016年03月05日 06:32
自分の凝り固まった自己概念や見解にまみれて在家生活を送っています。それを捨てるには、本文の立派な衣服を捨てるような行為が必要かと感じました。
まだまだある自分の概念や見解、少しずつでも捨てて参りたいです。