生きものに 暴力振るわず 殺さない 殺させもしない 彼はバラモン<629>

○少年少女のためのスッタニパータ<629>
・・・
なぜ殺してはいけないの?
君は殺されたどうですか?
嫌だ。
だから殺してはいけないよ。


第3 大きな章 9.ヴァーセッタ経 36.

○中村元先生訳
629
強くあるいは弱い生きものに対して
暴力を加えることなく、
殺さず、また殺させることのない人、
──かれをわたくしは<バラモン>と呼ぶ。


○正田大観先生訳
635.(629) 
動くものたちにたいし、さらには、動かないものたちにたいし、
〔一切の〕生類にたいし、棒(武器)を置いて、
彼が、〔他者を〕殺さず、〔他者をして他者を〕殺させないなら、
わたしは、彼を『婆羅門』と説きます。(36)


○パーリ語原文
634.
ニダーヤ  ダンダン    ブーテース
Nidhāya   daṇḍaṃ     bhūtesu,
下に置く  杖を       生き物対して

タセース       ターワレース       チャ
tasesu         thāvaresu          ca;
動くものに対して  動かないものに対して  と

ヨー ナ   ハンティ  ナ   ガーテーティ
Yo   na    hanti    na   ghāteti,
人  ない  殺さ    ない  殺させ

タマハン  ブルーミ  バラーフマナン
tamahaṃ   brūmi   brāhmaṇaṃ.
彼を私は  呼ぶ   バラモン


○一口メモ
ブッダは「バラモンとは何か」、このヴァーセッタ経で620偈から答え始めました。バラモンとは無一物で、無執着の人だと述べました。しかし、これだけではまだよくわかりませんから、具体的に、譬えを使って説明して来ました。

今回は、生き物に暴力を振るわず、殺すこともなく、殺させることのない人はバラモンだと述べています。つまり、これは無一物で、無執着の人は暴力を振るわず、殺すことも、殺させることもないと述べているのです。この意味するところはバラモンは慈悲の人であるということです。

以前のこのブログの解説では、なぜ殺してはいけないかについて説明していますが、バラモンの特徴は慈悲であるということを考えれば、当然、生き物を殺さない人をバラモンであると言っていいのです。

言葉の説明。
中村先生訳の「強くあるいは弱い生きものに対して」と正田先生訳の「動くものたちにたいし、さらには、動かないものたちにたいし」の違いは、tasesuとthāvaresuをどのようなに訳すかの違いになります。Tasaの訳は「動く、震える」の訳があり、thāvaraの訳は「動かないもの、安定したもの」という訳があるからです。


この偈の過去の解説は次の通りです。
2008年12月の解説
http://76263383.at.webry.info/200812/article_13.html
 
2009年10月の解説
http://76263383.at.webry.info/200910/article_18.html

2013年3月の解説
http://76263383.at.webry.info/201303/article_4.html


生きものに 暴力振るわず 殺さない 殺させもしない 彼はバラモン<629>


○人生の万能薬(慈悲の瞑想)

私(私の親しい人々、生きとし生けるもの)は(が)幸せでありますように
私(私の親しい人々、生きとし生けるもの)の悩み苦しみがなくなりますように
私(私の親しい人々、生きとし生けるもの)の願いごことが叶えられますように
私(私の親しい人々、生きとし生けるもの)に(にも)悟りの光があらわれますように

私の嫌いな人々(私を嫌っている人々)も幸せでありますように
私の嫌いな人々(私を嫌っている人々)の悩み苦しみがなくなりますように
私の嫌いな人々(私を嫌っている人々)の願いごことが叶えられますように
私の嫌いな人々(私を嫌っている人々)にも悟りの光があらわれますように

*この言葉を毎日唱えると幸福になれます。


~~~~~~お知らせ~~~~~~

◎雨安居中のゴータミー精舎では火曜日の夜の自主瞑想の始めに「初法輪経」を唱えることにしました。興味がある方は是非参加してください。心が穏やかになり、「眼が生じ、智が生じ、慧が生じ、明らかになり、光が生じる」気がします。(初転法輪経の言葉)


◎ゴータミー精舎では毎日朝晩、自主瞑想会を行っています。朝5時から7時まで、および夜7時から9時まで。但し、木曜日夜7時から9時までの自主瞑想会は休みます。変更のある場合はこの「お知らせ」で、あらかじめ報告します。詳細はワンギーサの携帯番号090-2311-9317に御連絡下さい。


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この記事へのコメント

あすか
2014年09月29日 07:59
殺さない、だけではなく、
殺させない、なのですね。
みき
2014年09月29日 13:26
ワンギーサ先生お久しぶりです。殺させないようにすることは難しいですね。
仏教を信仰しているわけではないので、ゴキブリホイホイや蚊や羽虫を取り殺生されている方は沢山おられます。それらを使用することも罪になると思います。私は使用しないように気をつけています。これからも、仏教の勉強を続けていきます。有難うございます。
こころざし
2016年08月18日 06:09
以前いた高齢者福祉の現場で、殴る・蹴るまでは流石になかったですが、放置という暴力に近いもの等の、温かみのない介護の現場に嫌気がさして転職した経験があります。
現在地域からの評判の良い職場にいて、その介護を提供する姿勢的な違いを実感する機会があります。
慈しみの実践をして参りたいです。