神々も 音楽神も 人間も 死後のわからぬ 彼はバラモン<644>

○少年少女のためのスッタニパータ<644>
・・・
死んだらどこに行くの?
善いことをした人は、
神々のところか、
人間に生まれ変わる。
食べてすぐ寝る人は
牛に生まれ変わる。
悪いことをした人は、
じごくに行くと言われているよ。
信じなくともいいけれど。


第3 大きな章 9.ヴァーセッタ経 51.

○中村元先生訳
644
神々も天の伎楽神(ガンダルヴァ)たちも人間も
その行方を知り得ない人、
煩悩の汚れを減しつくした人、
──かれをわたしは(バラモン)と呼ぶ。


○正田大観先生訳
650.(644) 
天〔の神々〕たちが、ガンダッバ(音楽神)や人間たちが、
彼の赴く所を知らないなら、
煩悩が滅尽した者であり、阿羅漢(人格完成者)であり、
わたしは、彼を『婆羅門』と説きます。(51)


○パーリ語原文
649.
ヤッサ   ガティン  ナ   ジャーナンティ
Yassa    gatiṃ    na    jānanti,
その人の 行き先を ない   知ら

デーワー ガンダッバマーヌサー
devā     gandhabbamānusā;
神々も   音楽神も 人間も

キーナーサワン アラハンタン
Khīṇāsavaṃ    arahantaṃ,
煩悩が滅した   阿羅漢を

タマハン  ブルーミ ブラーフマナン
tamahaṃ   brūmi   brāhmaṇaṃ.
彼を私は  呼ぶ   バラモンと


○一口メモ
今回のスッタニパータ644番(=ダンマパダ420番)と前回のスッタニパータ643番(=ダンマパダ419番)の偈の因縁物語は同じです。釈尊と同時代にワンギーサというバラモンがいました。彼は死んだ人の頭蓋骨をたたいて、その人がどの世界に輪廻転生したか言い当てる超能力を持っていました。彼の仲間が彼の能力を利用して、人々からお布施を集めることを始めました。そうしたある時、ワンギーサは釈尊のうわさを聞き、釈尊の能力に挑戦に出かけました。

釈尊は彼の意図を知り、弟子たちに、地獄、畜生、人間、天界に輪廻転生した死人の頭蓋骨を持って来させました。そして最後に阿羅漢の頭蓋骨を持って来させました。ワンギーサはそれらの頭蓋骨をたたいて、死後のどの世界に輪廻転生したかを言い当てました。そのつど釈尊は彼をほめました。しかし、最後の阿羅漢の頭蓋骨についてはどちらに行ったか分かりませんでした。

ワンギーサは釈尊に、どちらに行ったか分かる方法を教えてくれるように頼みました。しかし、釈尊は、出家して、修行しなければ教えられないと断りました。そこでワンギーサは釈尊のもとで出家して、修行し、その後しばらくして、阿羅漢になりました。彼は輪廻から解脱したので、阿羅漢の死後について分かりました。阿羅漢は解脱したので輪廻はしないのです。

その時、釈尊は比丘たちに「生きものの死と再生をすべて知り、執着なく幸せな悟った人、彼を私はバラモンと呼ぶ。神々も音楽神も人間も、死後の行方がわからない煩悩の消えた阿羅漢、彼を私はバラモンと呼ぶ。」と説法しました。つまり、阿羅漢の死後については阿羅漢以外には分からないのです。

蛇足ではありますが、この因縁物語に出てくるワンギーサ阿羅漢は私の名前と同じです。私の名前はスマナサーラ長老に付けて頂いたものです。ワンギーサという名前は、スッタニパータやテーラーガーター、相応部経典、増支部経典にも出てきますが、この因縁物語の主人公との性格とは少し異なるところがあり、別人だと言う人もいます。しかし、同じ名前の阿羅漢が何人もいるとは考えにくいので、同一人物かなと思っています。ちなみに、ワンギーサ阿羅漢の石像は、埼玉県川越市仙波の喜多院にあると言うことですが、私は探すことはできませんでした。


神々も 音楽神も 人間も 死後のわからぬ 彼はバラモン<644>


この偈の解説は次の記事を参考にしてください。
2008年12月
http://76263383.at.webry.info/200812/article_28.html

2009年10月
http://76263383.at.webry.info/200910/article_32.html

2013年3月
http://76263383.at.webry.info/201303/article_19.html


○人生の万能薬(慈悲の瞑想)

私(私の親しい人々、生きとし生けるもの)は(が)幸せでありますように
私(私の親しい人々、生きとし生けるもの)の悩み苦しみがなくなりますように
私(私の親しい人々、生きとし生けるもの)の願いごことが叶えられますように
私(私の親しい人々、生きとし生けるもの)に(にも)悟りの光があらわれますように

私の嫌いな人々(私を嫌っている人々)も幸せでありますように
私の嫌いな人々(私を嫌っている人々)の悩み苦しみがなくなりますように
私の嫌いな人々(私を嫌っている人々)の願いごことが叶えられますように
私の嫌いな人々(私を嫌っている人々)にも悟りの光があらわれますように

*この言葉を毎日唱えると幸福になれます。


~~~~~~お知らせ~~~~~~

◎10月11日から10月17日まで熱海に瞑想合宿があり、ワンギーサ比丘はそれに参加しますが、ゴータミー精舎における朝の自主瞑想会は代理人により通常通り開催します。しかし、この期間の夜の自主瞑想会は行いませんので、御注意お願いします。


◎ゴータミー精舎では毎日朝晩、自主瞑想会を行っています。朝5時から7時まで、および夜7時から9時まで。但し、木曜日夜7時から9時までの自主瞑想会は休みます。変更のある場合はこの「お知らせ」で、あらかじめ報告します。詳細はワンギーサの携帯番号090-2311-9317に御連絡下さい。


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この記事へのコメント

あすか
2014年10月14日 09:58
もう生まれ変わらないとは羨ましい。
この気持ちを意欲にして努力しよう。
こころざし
2016年08月23日 07:17
これまで自己啓発系?等で教えて頂いた時、良い所に生まれ変わる為には・・はありました。ですが涅槃はなかったように思います。興味深い事に大乗仏教のお寺での話でも出なかった・・?ように記憶しています(悟る、はありましたが)
心をクリアにして良い所に生まれ変わるを目指すのも、ですが、涅槃の域を目標にして精進したいです。