生前と 天界地獄を見て 生滅尽 証智完成 彼はバラモン<647>

○少年少女のためのスッタニパータ<647>
・・・
最高の人間であるバラモンの最高は、
大バラモンであるお釈迦さま。
すべて生命の幸福を願って、
すべて生命を導かれた。


第3 大きな章 9.ヴァーセッタ経 54.

○中村元先生訳
647
前世の生涯を知り、
また天上と地獄とを見、
生存を減し尽くしに至った人、
──かれをわたしは(バラモン)と呼ぶ。


○正田大観先生訳
653.(647) 
彼が、過去(前世)の居住を知ったなら、
さらには、〔死後に赴く〕天上と悪所を〔あるがままに〕見るなら、
しかして、生の滅尽を得た者であり、
わたしは、彼を『婆羅門』と説きます。(54)


○パーリ語原文
652.
プッベーニワーサン ヨー   ウェーディ
Pubbenivāsaṃ     yo    vedi,
前世の住処を    その人  知る

サッガーパーヤンチャ パッサティ
saggāpāyañca       passati,
天界や苦界を      見る

アトー ジャーティッカヤン パットー
Atho   jātikkhayaṃ     patto,
更に  生の滅尽を     得た人


アビンナーヴォースィトー ムニ
abhiññāvosito         muni;
悟って究めつくした     聖者

サッバヴォースィタヴォーサーナン
Sabbavositavosānaṃ,
全て究めつくすことを究めつくした

タマハン ブルーミ  ブラーフマナン
tamahaṃ  brūmi    brāhmaṇaṃ.
彼を私は 呼ぶ    バラモンと


○一口メモ
しばらく、世尊は「どのよう人物がバラモンであるか」述べて来ました。その最後が今回の偈です。この偈はダンマパダの423番と同じものですが、ダンマパダの最後のバラモンの章の最後の偈なのです。それは偉大なバラモンである釈迦牟尼仏陀を讃えるものなのです。

以下言葉の意味を簡単に説明します。「前世を知り」とは宿住智と言い、自分と他人の前世のことを知ることのできる智慧のことです。
「天界と地獄を見て」とは天眼智のことであり、天人のように肉眼で見えない遠い所や微小なものをみることができる智慧です。
「生の滅尽に達して」は漏尽智のことであり、あらゆる煩悩を滅し尽くす智慧です。
以上三つを三明と言い、多くの阿羅漢はこの三明を持っていましたが、漏尽智だけあれば阿羅漢です。

しかし、ブッダはさらに五つの智慧を完成させ、八明と言われる智慧を完成しました。それを「証智を完成した聖者」という言葉で表現されています。残る五つの智慧とは次の通りです。
 観智:名色の無常、苦、無我をはっきり見ることができる智慧
 意所成神変智:自分の思い通りにできる智慧
 紳変智:一身、多身などを化作すること、空に飛び上がる、地下のもぐることのできる    智慧
 天耳智:天人の耳のように遠くも声や小さな声を聞ける智慧
 他心智:他人の心を読める智慧

「成すべきことを成し遂げた」とは十五行と言われる行を成し遂げたということです。十五行とは次の通りです。
①戒律儀: 戒律を守ること
②根律儀: 貪欲、怒り、無知などの煩悩が起こらないように、眼、耳、鼻、舌、身、意の六根を守ること。
③食物において適量を知ること。
④不眠の努力: 眠らないで努力すること。
⑤信: 仏法僧の三宝および因果法則を信じること
⑥慚: 悪事をすることを内心に恥じること 
⑦愧: 悪事をすることを外部に恐れること
⑧博識: 知識が広い分野に及んでいること
⑨精進: 励み努めること。ひたすら善を行い、悪を断つこと。
⑩念: 気づきを忘れないこと。
⑪慧: 智慧で理解すること。
⑫初禅: 欲を離れ、不善の法を離れ、尋伺があり、障害の離より起こる喜楽のある境地
⑬第二禅:尋伺のない、定より起こる喜楽のある境地
⑭第三禅: 喜を離れ、捨のあり、念があり、正知があって、身によって楽を感受する境地
⑮第四禅: 楽を離れ、苦を離れるがゆえに、喜と憂とが滅したために、苦楽がなく、捨によって念が浄まっている境地
(初禅から第四禅は、アビダルマの定義ではなく経典による定義です。)

八明と十五行の完成者を明行具足者といいます。ブッダは明行具足者の大バラモンなのです。


生前と 天界地獄を見て 生滅尽 証智完成 彼はバラモン<647>


この偈の解説は次の記事を参考にしてください。
2008年12月
http://76263383.at.webry.info/200812/article_31.html

2009年11月
http://76263383.at.webry.info/200911/article_3.html

2013年3月
http://76263383.at.webry.info/201303/article_22.html


○人生の万能薬(慈悲の瞑想)

私(私の親しい人々、生きとし生けるもの)は(が)幸せでありますように
私(私の親しい人々、生きとし生けるもの)の悩み苦しみがなくなりますように
私(私の親しい人々、生きとし生けるもの)の願いごことが叶えられますように
私(私の親しい人々、生きとし生けるもの)に(にも)悟りの光があらわれますように

私の嫌いな人々(私を嫌っている人々)も幸せでありますように
私の嫌いな人々(私を嫌っている人々)の悩み苦しみがなくなりますように
私の嫌いな人々(私を嫌っている人々)の願いごことが叶えられますように
私の嫌いな人々(私を嫌っている人々)にも悟りの光があらわれますように

*この言葉を毎日唱えると幸福になれます。


~~~~~~お知らせ~~~~~~

◎10月11日から10月17日まで熱海に瞑想合宿があり、ワンギーサ比丘はそれに参加しますが、ゴータミー精舎における朝の自主瞑想会は代理人により通常通り開催します。しかし、この期間の夜の自主瞑想会は行いませんので、御注意お願いします。


◎ゴータミー精舎では毎日朝晩、自主瞑想会を行っています。朝5時から7時まで、および夜7時から9時まで。但し、木曜日夜7時から9時までの自主瞑想会は休みます。変更のある場合はこの「お知らせ」で、あらかじめ報告します。詳細はワンギーサの携帯番号090-2311-9317に御連絡下さい。


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この記事へのコメント

あすか
2014年10月17日 11:21
礼拝など仏陀の九徳を唱える時、
ただなんとなく、ではなく、

ブログで学んだことも思い出しながら
行うようにしてみます。
SRKWブッダ
2014年10月17日 11:34
前世の生涯を知り、また天上と地獄とを見、:

→ 覚り以前において自分がどのような世界に住んでいたのかを如実に見、また一切世間を見渡して人々(衆生)が善行を為して福徳を得たり、悪行を為してその報いに苦しんでいるのを見て、...

***
こころざし
2016年08月24日 10:32
実践をするにしても、それを極めるのは並大抵ではない印象を感じます。それにおののいて何も出来ない、のも筋が外れると思いますが、出来る事を地道に広げながら、毎日を大切にして修行をして参りたいです。