人生の 障害難路乗り 越えて 涅槃に達した 彼はバラモ<638>

○少年少女のためのスッタニパータ<638>
・・・
人生はぬかるみや
険しい道もあります。
しかし、それを辛いと思うか
楽しいと思うかは
その人しだいです。


第3 大きな章 9.ヴァーセッタ経 45.

○中村元先生訳
638
この傷害・険道・輪廻(さまよい)・迷妄を超えて、
渡りおわって彼岸に達し、瞑想し、
興奮することなく、
執著がなくて、
心安らかな人、
──かれをわたくしは<バラモン>と呼ぶ。


○正田大観先生訳
644.(638) 
彼が、この、障害と悪路と輪廻と迷妄を超え行ったなら、
〔激流を〕超え、彼岸に至った瞑想者であり、
動揺なく、懐疑なく、
〔一切を〕執取せずして、
涅槃に到達した者であり、
わたしは、彼を『婆羅門』と説きます。(45)

○パーリ語原文
643.
ヨーマン  パリパタン  ドゥッガン
Yomaṃ   palipathaṃ   duggaṃ,
人はこの  ぬかるみを  難路を
  
サンサーラン  モーハマッチャガー
saṃsāraṃ    mohamaccagā;
輪廻を      無智を超え

ティンノー パーラガトー  ジャーイー
Tiṇṇo    pāragato     jhāyī,
渡った   彼岸に到った  瞑想者

アネージョー  アカタンカティー
anejo       akathaṃkathī;
不動の     疑惑のない

アヌパーダーヤ ニッブトー
Anupādāya     nibbuto,
執着なく      寂滅した

タマハン ブルーミ  ブラーフマナン
tamahaṃ  brūmi    brāhmaṇaṃ.
彼を私は 呼ぶ    バラモンと


○一口メモ
この偈はダンマパダ414番と同じですが、その偈の因縁物語は次の通りです。

コリヤ族の王妃スッパワーサーは7年もの長い間子宮に子供を宿し続けていました。ようやく陣痛が始まり、それも7日間も続きました。その苦しみの中で彼女は仏法僧の徳を念じ続けました。彼女は王にこの苦しい状況をブッダに伝えてほしいと頼みました。王は早速ブッダを訊ね、妻の苦しみを訴えました。ブッダは「コリヤ族の王妃スッパワーサーよ、健康と幸福の中で元気な子供を安産するように」と念じると、王妃はシーワリ王子を安産しました。喜んだ王たちは、ブッダと弟子たちを宮殿に招待し、7日間にわたって御馳走を施し、歓迎しました。生まれたシーワリ王子もこれに参加しました。その後、王子は両親の許可を得て、出家すると、すぐに阿羅漢果を得ました。

ある日、比丘たちは「シーワリは大変難産の末にこの世に生まれてきた。なぜ彼は7年も母胎にいたのだろうか?」原因が分からず、ブッダに訊ねることにしました。ブッダは「比丘たちよ、シーワリは過去世において、他国に滅ぼされた国の王子であった。大人になった彼は母の言い付けで、奪われた領土を取り戻すために、7日間兵糧攻めを行った。そのために、多くの人々が食べ物も飲み物もなく苦しんだ。この過去世の業で、シーワリは生まれる時苦しい目にあったのだ。しかし、今は自らの努力であらゆる苦しみの原因を断ち切り、涅槃の境地にいる。」と答えられました。そこで、今回の偈を述べられと言います。

シーワリ阿羅漢は、スリランカでは、たぶんミャンマーやタイでもそうだと思いますが、大変人気のある阿羅漢です。なぜならば、赤ちゃんの時から、ブッダやその弟子の比丘たちを歓迎し、お布施をした功徳で、一生食べるものや着るもの生活に困ることがなかったそうです。ですからシーワリ阿羅漢を供養するとその功徳を分けて頂けると思っているからでしょう。信者さんたちはシーワリ阿羅漢をこぞって供養するようです。私は、スリランカから日本に帰ってきた時、シーワリ阿羅漢が描かれたコピーをお土産にいっぱい持ってきました。皆さんが生活に困ることがないためです。(笑い)
(この記事は2013年3月の解説を一部修正したものです。)


人生の 障害難路乗り 越えて 涅槃に達した 彼はバラモ<638>


この偈の解説は次の記事を参考にしてください。
2008年12月
http://76263383.at.webry.info/200812/article_22.html
2009年10月
http://76263383.at.webry.info/200910/article_27.html
2013年3月
http://76263383.at.webry.info/201303/article_13.html


○人生の万能薬(慈悲の瞑想)

私(私の親しい人々、生きとし生けるもの)は(が)幸せでありますように
私(私の親しい人々、生きとし生けるもの)の悩み苦しみがなくなりますように
私(私の親しい人々、生きとし生けるもの)の願いごことが叶えられますように
私(私の親しい人々、生きとし生けるもの)に(にも)悟りの光があらわれますように

私の嫌いな人々(私を嫌っている人々)も幸せでありますように
私の嫌いな人々(私を嫌っている人々)の悩み苦しみがなくなりますように
私の嫌いな人々(私を嫌っている人々)の願いごことが叶えられますように
私の嫌いな人々(私を嫌っている人々)にも悟りの光があらわれますように

*この言葉を毎日唱えると幸福になれます。


~~~~~~お知らせ~~~~~~

◎10月11日から10月17日まで熱海に瞑想合宿があり、ワンギーサ比丘はそれに参加しますが、ゴータミー精舎における朝の自主瞑想会は代理人により通常通り開催します。しかし、この期間の夜の自主瞑想会は行いませんので、御注意お願いします。


◎ゴータミー精舎では毎日朝晩、自主瞑想会を行っています。朝5時から7時まで、および夜7時から9時まで。但し、木曜日夜7時から9時までの自主瞑想会は休みます。変更のある場合はこの「お知らせ」で、あらかじめ報告します。詳細はワンギーサの携帯番号090-2311-9317に御連絡下さい。


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この記事へのコメント

浜中
2014年10月08日 12:57
ワンギーサ長老
失礼します。

最後の行が
>皆さんが生活に困ることがためです。
になっています。

読み間違える人はいないと思いますが・・・
ワンギーサ
2014年10月08日 13:08
浜中さん。

ご指摘ありがとうございました。
早速訂正します。

皆様が幸せでありますように。
あすか
2014年10月08日 13:16
苦しい、うまくいかない、
それは、
乗り越えるべき課題
なのかもしれませんね。
こころざし
2016年08月21日 08:23
毎日「人生は苦だ」だと実感する事があります。もう少し観察すると、それは自分の思い通りにならない時に出ています。自分の思い通りにならない事を嘆いてもそんな事は沢山ありますし、どうにもならないと思います。それよりも今・ここのサティで止めれるようにして、心が曇らない様にしたいです。また辛い事のお陰様で成長出来るのなら、それは幸いと思って乗り切って参りたいと思います。