アジタ氏の 始めの問いは 四つです 世間に関する 大きな問題<1032>

○少年少女のためのスッタニパータ<1032>
・・・
アジタさんは
自分が何かにおおわれていると
気付いたのですが、
なぜ気づいたのでしょうか?


第5 彼岸に到る道の章 2.アジタ経(アジタ学生の問い)1.

○中村元先生訳
1032
アジタさんがたずねた、
「世間は何によって覆われているのですか? 
世間は何によって輝かないのですか? 
世間をけがすものは何ですか? 
世間の大きな恐怖は何ですか? それを説いてください。」


○正田大観先生訳
1039.(1032) 
かくのごとく、尊者アジタが〔尋ねた〕
「世〔の人々〕は、まさに、何によって覆われているのですか。
まさに、何によって光り輝かないのですか。
〔あなたは〕何を、それ(世の人々)にとっての汚れと説くのですか。
いったい、何を、それ(世の人々)にとっての大いなる恐怖と〔説くのですか〕」〔と〕。(1)


○パーリ語原文
1038.
ケーナッス      ニウトー    ローコー
‘‘Kenassu        nivuto     loko,
何によって・あるか  覆われて   世間は

イッチャーヤスマー   アジトー
(iccāyasmā         ajito)
と・尊者          アジタは

ケーナッス       ナッパカーサティ
Kenassu         nappakāsati;
何によって・あるか  輝かないで

キッサービレーパナン   ブルースィ   
Kissābhilepanaṃ       brūsi,
何がそれを汚すか     と説くか

キンス    タッサ    マハッバヤン
kiṃsu     tassa     mahabbhayaṃ’’.
何が一体  その     大恐怖か


○一口メモ
アジタさんはブッダに対して8つの質問をしましたが、今回の偈にはその4つが述べられています。今回は世間に関するものです。ここで世間と訳したパーリ語はlokaですが、lokaには世界とか世間のいう訳語があります。しかし、仏教の関心の中心は生命や人間ですから、世界とか世間と言っても、具体的にはその中の生命や人間に焦点を当てて考えた方が理解しやすいのです。そこでこの偈に述べられた四つの質問を次のように書き換えてみます。

1.人間は何によって覆われているのですか?
2.人間は何によって輝かないのですか?
3.人間を汚すものは何ですか?
4.人間の大きな恐怖はなんですか?

これらの質問は、アジタ学生の深い自己の洞察から生まれたものです。多くの人間は自分が何かにおおわれていることに気付いていません。皆自己の現状を当たり前であると思っていますから、おおわれていることに気付けないのです。おおわれているとどうなっているのでしょうか?周りを正しく見えてないのです。雲っているとか、くすんで見えているのです。アジタさんはそのことに気付いたから、ブッダにそのことを質問したのです。

自分がおおわれていることに気付いている人には、自分が輝いていないことにも気づくのでしょう。アジタさんはブッダに会う前から、自分が輝いていないことに気付いていたのかもしれませんが、ブッダに会って、ブッダの輝きを見た時はそのことをさらに自覚したのではないかと思います。さらに輝きについて言えば、自分が汚れているから輝かないことも分かります。

アジタさんは人間の恐怖についても質問します。これらの質問はすべてアジタさんだけでなく、あれから2500年後の現代に住む我々にも大問題なのです。これに関するブッダの解答を是非聞きたいものです。


アジタ氏の 始めの問いは 四つです 世間に関する 大きな問題<1032>


○人生の万能薬(慈悲の瞑想)

私(私の親しい人々、生きとし生けるもの)は(が)幸せでありますように
私(私の親しい人々、生きとし生けるもの)の悩み苦しみがなくなりますように
私(私の親しい人々、生きとし生けるもの)の願いごことが叶えられますように
私(私の親しい人々、生きとし生けるもの)に(にも)悟りの光があらわれますように

私の嫌いな人々(私を嫌っている人々)も幸せでありますように
私の嫌いな人々(私を嫌っている人々)の悩み苦しみがなくなりますように
私の嫌いな人々(私を嫌っている人々)の願いごことが叶えられますように
私の嫌いな人々(私を嫌っている人々)にも悟りの光があらわれますように

*この言葉を毎日唱えると幸福になれます。


~~~~~~お知らせ~~~~~~

◎9月18日(金)から9月23日(水)のゴータミー精舎における夜の自主瞑想会はお休みいたします。尚、朝5時から7時の自主瞑想回は通常通り行います。理由はワンギーサが熱海の瞑想合宿に参加するためです。しかし、朝の自主瞑想会は代理人により通常通り開催いたします。


◎ゴータミー精舎では、通常は毎日朝晩、自主瞑想会を行っています。朝5時から7時まで、および夜7時から9時まで。但し、木曜日夜7時から9時までの自主瞑想会は休みます。また変更のある場合はこの「お知らせ」で、あらかじめ報告します。詳細はワンギーサの携帯番号090-2311-9317に御連絡下さい。


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この記事へのコメント

kemsford
2015年09月14日 04:05
おはようございます。
アジタさんの質問を読むと、アジタさんが普段「世間・人間」をどのように考えておられたかが観えてきます。即ち、アジタさんは「世間・人間は、覆われている・輝いていない・汚れている・大きな恐怖がある」と認識されていることがわかります。
これは今から二千五百年以上も前の出来事です。ところが、「世間・人間」に関する課題の本質的な部分は、現代と同じなのだと判ります。あの頃を想像するに、物質的な面では、現代とは雲泥の差があるはずです。想像を絶するほどの、大きな環境の変化です。にもかかわらず、人間の「心」の問題は同じです。このことに思いを巡らすと、「心」が抱える課題の巨大さや、またそれを克服するために、必ず乗り越えなければならない障壁の高さに、一瞬目が眩むように感じます。
でもだからこそやりがいがあるのかもしれません、なんといっても、真の相手は、何億光年と続いている輪廻であり、またそれを延々と引き起こし続けてきた煩悩なのですから。明日から明確になるブッダの回答を、気持ちを引き締めて受け取ります。
本日も御指導ありがとうございました。
こころざし
2015年09月14日 07:28
おはようございます。
本文の「自分が輝いていないことにも気づく」を拝見し、自分の観察をしている凄さを感じました。
自分の事は見ていない、との方が自分含め多いように思います。何か変だと違和感を感じる事があっても、自分を見れないとその違和感の原因・理由は分からないと想像致します。
質問に対するお釈迦様の答え、息を飲んでお待ちしたいです。
ワンギーサ長老・皆様の今日も素晴らしい一日となりますように。
こころざし
2016年12月16日 07:17
アジタさんの質問から、自分の事をしっかり観察された様子を感じました。そこまで気が付いてもそれ以上は分からない事を興味深く感じます。そのようなものを超えているブッダの解答を伺えます事、至福に思います。しっかりと学ばせて頂きたいです。