衣服にも 食べる物にも 薬にも 欲を起こさず 輪廻を脱せよ<再339>

○ワン爺さんの独り言<339>
・・・
今あるもので、
満足できるならば、
その人は幸福であり、
立派な人だ。


第2 小さな章 11.ラーフラ経 5.

○中村元先生訳
339
衣服と、施された食物と、
(病人のための)物品と坐臥の所、
──これらのものに対して欲を起こしてはならない。
再び世にもどってくるな。


○正田大観先生訳
342.(339) 
衣料、〔行乞の〕施食と、
日用品(薬品)、臥坐具について、
これらについて、渇愛〔の思い〕を為してはならない。
〔迷いの〕世に、ふたたび帰り来ることがあってはならない。(5)


○パーリ語原文
339.
チーワレー   ピンダパーテー   チャ
cīvare       piṇḍapāte        ca
衣服       托鉢食         と

パッチャイェー    サヤナーサネー
paccaye        sayanāsane ――
日用品        坐臥具

エーテース    タンハン   マー カースィ
etesu        taṇhaṃ     mā kāsi,
これらに      渇愛を   勿れ  起こす

マー     ローカン   プナ ラーガミ
mā      lokaṃ      punar āgami.
勿れ    この世に   再び 戻る


○一口メモ
昨日の338偈において、善友と親交すべきこと、人里離れた静かな場所に住み瞑想し、食事においても適量で満足すべきであることを教えました。その上で、今回は、衣服や托鉢して得た食べ物及び生活必需品(薬など)、寝ることなどに関していかにあるかを教えるのです。

以上の四つの必需品とは、「陰部を覆い隠すためのものであり、常に病んでいる人々を治癒するものであり、老朽した家屋を修繕するように、この極度に弱った身体を保持するものである」と決められています。ですから、それ以上の望むことを、これらのものに渇愛の思いを起こすと言われているのです。渇愛が生じることは、生きたいという思いです。この思いに引っ張られてこの世に再生するという輪廻を繰り返すことになるのです。

これらの生活必需品に対して渇愛の心が起こらないようにすれば、再びこの世に戻ってくるという輪廻から抜け出すことが出来るのです。これが解脱です。涅槃に到るということです。

注釈書ではより具体的に、衣服に関しては、糞掃衣(ぼろきれを縫い合わせて作った衣)で満足する。上衣、下衣及び重衣の三衣で満足すること。托鉢食に関しては、托鉢で食事をする。一座において食事をする(一度立ち上がったら、再び座りなおして食べない)。順々に家々を乞食していく(家を選んで托鉢しないこと)。一鉢のみの食事。食後に食事をしないなどの決まりがあります。臥座所に関しては、森林に住む。露地に住む。樹下に住む。随処に住む(同じ所に住まない)。塚間に住む。常坐不臥者(横になって寝ない)などの決まりがあります。医薬品に関しては、得たもので満足する。体力に応じたもので満足する。身分相応なもので満足するなどの決まりがあります。

ラーフラは世尊に「これらについて、渇愛〔の思い〕を為してはならない。」と言われた時、以上のことを想起したということです。なかなか厳しい決まりですが、ここまで実践すれば渇愛を克服して、解脱できるような気がします。これらは、いわゆる身体を苦しめる苦行ではありません。心から欲をなくす修行なのです。身体は苦しくないのです。心は苦しいと思うかもしれません。


○前回のこの偈の解説

衣服にも 食べる物にも 薬にも 欲を起こさず 輪廻を脱せよ<339>
http://76263383.at.webry.info/201401/article_21.html


○人生の万能薬(慈悲の瞑想)

生きとし生けるものは幸せでありますように
生きとし生けるものの悩み苦しみがなくなりますように
生きとし生けるものの願いごことが叶えられますように
生きとし生けるものにも悟りの光があらわれますように

*この言葉を毎日唱えると幸福になれます。


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この記事へのコメント

kempsford
2016年11月30日 04:23
おはようございます。
「食事は、身体を維持し、修業を続けるためにとるものです。それを、おいしいから、などといった『欲』で食べる。あなたたちは、こうやって、食べるたびに、心を汚しているのです」。スマナサーラ長老の数ある教えのなかでも、私にとっては、一番厳しいものです。そこに、本日先生から解説して頂いた、「一度立ち上がったら、再び座りなおして食べない」が加わります。いや、本当に厳しい!ご指導ありがとうございました。
こころざし
2016年11月30日 07:36
おはようございます。
今の現状をもっと良くしたいと思いますと、もう際限がない世界まで容易に行ってしまうと想像します。どんなに得ても満たされないのではないでしょうか。今の状況で満足すれば、心が成長する余裕も出てくるように感じます。本当に必要な物は得る様にしながら、欲に気が付いてそれを回転させない様に、今の状態に満足して修行に励めるようにしたいです。
ワンギーサ長老・皆様の、今日も素晴らしい一日となりますように。
こんせん
2016年11月30日 11:16
こんにちは。毎日ありがとうございます。
再び世にもどってくるな。(迷いの)世に、ふたたび帰り来ることがあってはならない。
両先生とも厳しい口調でおっしゃってますね。確かに我々の幻し世界はグロいです。人を殺して金儲け。差別いじめ、搾取奴隷...。おっしゃるようにこんな処帰って来たくないです。それより自分も他人も何もない完成された世界でのんびりしたいですね。しかし帰らない為の内容も凄いです。というか難しすぎます。
結局、私は有漏有漏するほかないのでしょう。
ありがとうございます。