王族も バラモンたちも 血統の 誇りを捨てて 欲に走った<再315>

○ワン爺さんの独り言<315>
・・・
武士は食わねど
高楊枝。
プライドは
食欲なんかに負けないぞ。


第2 小さな章 7.バラモン法経 32及び「あとがき」

○中村元先生訳
315
王族も、梵天の親族(バラモン)も、
並びに種姓(の制度)によって守られている他の人々も、
生れを誇る論議を捨てて、
欲望に支配されるに至った、と。

<終わりに>
このように説かれたときに、大富豪であるバラモンたちは、師にいった、「すばらしいことです! ゴータマ(ブッダ)さま。すばらしいことです! ゴータマさま。あたかも倒れた者を起こすように、覆われているものを開くように、方向に迷った者を示すように、あるいは『眼ある人々は色やかたちを見るであろう』といって暗闇の中で灯火をかかげるように、ゴータマさまは種々のしかたで理法を明らかにされた。ここで、われらはゴータマさまに帰依したてまつる。また真理と修行僧のつどいに帰依したてまつる。ゴータマさまは、われわれを在俗信者として、受け入れてください。今日から命の続く限り帰依いたします。」


○正田大観先生訳
318.(315) 
士族たち、しかして、梵〔天〕(ブラフマー神)の眷属たち、
さらには、彼ら、他の、氏姓に守られた者たちも、
出生の論(分相応の生き方)を無視して、
諸々の欲望の支配へと従い行きました」〔と〕。ということで――(32)

<あとがき>
このように言われたとき、それらの婆羅門の大家たちは、世尊に、こう言いました。「貴君ゴータマよ、すばらしいことです。……略……。貴君ゴータマは、わたしたちを、在俗信者として認めてください。今日以後、命ある限り、帰依所に赴いた者として〔わたしたちを〕」〔と〕。ということで――


○パーリ語原文
317.
カティヤー   ブラフマバンドゥー    チャ
Khattiyā     brahmabandhū      ca
士族たち    梵天の親族たち     と

イェー    チャンニェー     ゴッタラッキター
ye       c’aññe        gottarakkhitā
人びと    また・他の      種姓で守られた人々は

ジャーティワーダン    ニランカトワー
jātivādaṃ          niraṃkatvā,
血統論を          捨てて

カーマーナン    ワサマンワグンティ
kāmānaṃ       vasamanvagu’’nti.
欲望に        支配に従った・と


<あとがき>のパーリ語原文は省略します。


○一口メモ
「バラモン法経」はこの315偈及び「あとがき」で終わります。

インドには昔にも今もカーストという社会集団があり、序列があり、各集団間は職業・通婚・食事などに厳しい規制があります。世襲的職業をもち相互に分業関係を結んでいます。そのため生きていくための最低限度の仕事が保障されているとは言えますが、近代的な民主主義的の立場から言えば不平等な社会集団と言えます。しかし、昔のカーストの社会集団は、その集団の法を守るという義務と誇りがあり、それを順守していました。しかし、次第に王族やバラモンたちはその不平等な法すら守ることを放棄して、欲望に従うようになってしまったのです。その結果の状況がこの「バラモン法経」に述べられているのです。

この経は昔のバラモンたちの没落の様子が述べられており、特殊なケースのように思われますが、そうではなく、人間が欲望に負けて堕落して、法から離れていく様子は今も変わらないのです。

現在の私たちにとっては、便利さ・効率を優先する態度、これは怠けたいという心の現れもたぶんあると思います。これによって、大切な伝統を捨てるということが多くあるように思います。一つの例は、年長者を敬うということ、あるいは弱者を守るということは大切な伝統です。しかし、効率やスピードを重視して、高齢者や弱者を切り捨てるという風潮はぬぐえないのです。伝統の中にある慈しみの心は捨てないように注意したいと思います。

<あとがき>では、昔のバラモンたちが守ったバラモン法について、ブッダに質問した大富豪のバラモンたちは、ブッダの言葉に感激して、在家信者として仏法僧に帰依することを申し出ました。


○前回のこの偈の解説

王族も バラモンたちも 血統の 誇りを捨てて 欲に走った<315>
http://76263383.at.webry.info/201312/article_29.html


○人生の万能薬(慈悲の瞑想)

生きとし生けるものは幸せでありますように
生きとし生けるものの悩み苦しみがなくなりますように
生きとし生けるものの願いごことが叶えられますように
生きとし生けるものにも悟りの光があらわれますように

*この言葉を毎日唱えると幸福になれます。


~~~~~~お知らせ~~~~~~

◎大阪府岸和田市のアラナ精舎での雨安居は10月15日(土)で終了しました。アラナ精舎のカティナ衣法要は10月23日(日)に行われます。それ以後については11月3日のゴータミー精舎のカティナ衣法要に参加するために東京に行きます。その後、しばらくアラナ精舎に滞在させて頂きたいと考えていましたが、そのまま東京に滞在することになりました。関西の皆様にはお世話になりました。関東方面の方はまた宜しくお願いいたします。


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この記事へのコメント

kempsford
2016年11月04日 04:24
おはようございます。
ブッダの教えを受け、その正しさを確信すると、即座に、帰依する。そんな場面に出会うたびに、私は感銘を受けます。しかも、今回は、バラモンという最高の地位にあり、かつ、大富豪なのです。その方に対する、ブッダの教戒は、実に厳しいものでした。にもかかわらず、それこそが真理と確信するやいなや、甘美な快楽を瞬時に捨て去り、真理の道を歩むことを選ばれています。素晴らしいです。ご指導ありがとうございました。
kempsford
2016年11月04日 04:25
バラモン法教32偈を終えて
堕落が始まる299偈からは、毎回、わが身を振り返りながら学びました。バラモンを堕落に誘ったのは、「異性・車・衣服・住居・財産」です。これらは、現代もまったく同じです。しかも、それらを「堕落」ではなく、逆に「成功」「幸福」と捉えています。「せっかく人間として生きているのだから、解脱を目指して修業する」。これを、常に忘れてはいけません。先生の再講義のおかげで、改めて痛感することができました。ありがとうございました。
こころざし
2016年11月04日 07:49
おはようございます。
以前儲け主義の(福祉)経営者の所に居た時、その人はプライドという名前で弱者切り捨ての非情を正当化している姿勢?を感じた事があり、人としてどうなのか?と思う機会でした。職員が多数辞めていくのは自然に感じました。
現在地元で一緒に学びましょうとの輪を作る様な動きをしていますが、お陰様で厚意を頂き、形になってきています。それを自分のPRに使うような・自ら穴を掘って落ちる様な愚行は戒め、真摯に修行させて頂きたいとの姿勢を貫いて参りたいです。
ワンギーサ長老・皆様の、今日も素晴らしい一日となりますように。
こんせん
2016年11月04日 12:37
こんにちは。毎日ありがとうございます。
バラモン経からたいへん示唆を受けました。
誠にありがとうございました。