ブッダの感興のことば(ウダーナヴァルガ)第2章 愛欲 第16偈

16 愚人は享楽のために害される。しかしこの世で自己を求める人々は害されない。享楽を妄執するがゆえに、愚者は他人をも自分をも害う。
(ダンマパダ355参照)

(中村元訳「ブッダの真理のことば・感興のことば」岩波文庫より引用しました。)


*ワン爺のコメント
訳者の中村先生はダンマパダ355偈を参照と書かれていますから、それを引用しておきます。

「彼岸に渡ることを求める人々は享楽に害(そこな)われることがない。愚人は享楽のために害されるが、享楽を妄執するがゆえに、愚者は他人を害うように自分をも害う。」

このダンマパダの偈については、このブログで3回解説していますが、その一つのアドレスは次の通りです。
http://76263383.at.webry.info/201007/article_8.html

私の訳と少し異なるので、あえて引用します。

「財産は愚か者を殺す。涅槃を求める人を殺さない。財産への渇愛によって愚か者は、他人のように自分を殺す。」

この違いはパーリ語のボーガには「享楽」の他に「財産」という意味があり、「害う」とははっきり言えば「殺す」ということだからです。

また、中村訳「享楽を妄執」を私は「財産への渇愛」と訳しています。

この訳の違いを含め、読者の皆さんは自由に考察して下さい。

なお、中村先生はパーリ語のタンハーを、(仏教用語では渇愛と訳されていますが、)そのようには訳さず、妄執あるいは愛執と訳されておられます。そのことについてはいずれ考察いたします。


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