ブッダの感興のことば(ウダーナヴァルガ)第2章 愛欲 第7偈

7 世間における種々の美麗なるものが欲望なのではない。欲望は、人間の思いと欲情なのである。世間における種々の美麗なるものはそのままいつも存続している。しかし思慮ある人々はそれらに対する欲望を制してみちびくのである。

(中村元訳「ブッダの真理のことば・感興のことば」岩波文庫より引用しました。)


*ワン爺のコメント
この偈は、世間における種々の美麗なるものは欲望の対象であって、欲望そのものではないと述べています。欲望は人間の思いであり、欲望の対象に対する主体なのです。

思慮ある人々は、欲望の対象を得たり、捨てたりすることではなく、欲望そのもの(欲望の主体)を制御して、欲望を回避するのです。

そして、さらに欲望の主体の消滅に導くのです。

この記事へのコメント

toshi
2018年07月03日 07:44
 『佛教語大辞典(縮刷版)』(中村元著)には、「愛(あい)」の意味を説明したあと「解説」(かいせつ)が載っております。・・・『ブッダの感興のことば(ウダーナヴァルガ)』や他仏典を学ぶ参考になりますので引用させて頂きます。(3回に分割します。)・・・(その1)「仏教一般では慈悲が中心であって、愛についてはあまり多くを説かない。仏教者にとって、愛は憎しみと背中合わせであり、いかなる愛もその中に憎しみを可能性として蔵していると考えられていた。愛が深ければ深いほど憎しみの可能性も大きくなる。それは、愛が本質的に自己を愛することを中心としているからである。」(つづく)