ブッダの感興のことば(ウダーナヴァルガ) 第8章 ことば 6偈

6 悪い心のある人々は実に嘘を言う。つねに地獄(の苦しみ)を増して、おのれを傷ける。欠点の無い力のある人は、心の混濁を除いて、(すべてを)忍ぶ。

(中村元訳「ブッダの真理のことば・感興のことば」岩波文庫より引用しました。)


*ワン爺のコメント
ここでは悪い心について考察します。この偈をよく読むと、悪い心とは「心の混濁」のようです。

心の混濁(濁り)に関しては、法華経方便品には次のように述べられています。
「舎利弗よ、諸仏は五濁の悪世に出現される。五濁とは、長い時間という濁り(劫濁)、本能に基づく心の動揺という濁り(煩悩濁)、生けるものという濁り(衆生濁)、偏った見方という濁り(見濁)、命という濁り(命濁)などである。」

五濁のそれぞれの意味は、それほど簡単ではありませんが、「長い時間という濁り(劫濁)」については、次のような説明があります。「長い時間という濁りのある乱れた時には、生ける者達のけがれは重く、邪険で貪欲であり、嫉妬心深く、諸々の不善の根ばかりを植えている」と。

本能に基づく心の動揺という濁り(煩悩濁)、これは煩悩濁と言われますので、これが本能というものです。

生けるものという濁り(衆生濁)、生きているもの(衆生)であることが濁りであることを知る必要があるということです。

偏った見方という濁り(見濁)はわかりやすいと思います。

命という濁り(命濁)、命があることは、心が動揺しているということですから、ニルヴァーナ(完全な平安)の立場からは命は濁りになるのでしょう。


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