感興のことば(ウダーナヴァルガ) 第18章 花 21F偈

21F 池に生える蓮華の茎や花をば、水にもぐって折り取るように、愛執をすっかり断ち切ったった修行者は、こちらの岸を捨て去る。___蛇が旧い皮を脱皮して捨て去るようなものである。

                       以上第18章 花

(中村元訳「ブッダの真理のことば・感興のことば」岩波文庫より引用しました。)


*法津如来のコメント
今回の偈も、21A偈と同じ構造です。テーマは「愛執」に変わります。愛執とは、我がものという思いです。

愛執を理解するために、ウダーナヴァルガ第3章愛執の第1偈を引用します。

「あれこれ考えて心が乱され、愛欲がはげしいのに、愛欲を清らかだと見なす人には、愛執がますます増大する。この人は実に束縛の絆(きずな)を堅固ならしめる。」

愛欲がはげしく、あれこれ考える人は、心が乱れ、愛執が増大すると述べられています。

この偈の中の言葉「愛欲」については、ウダーナヴァルガ第2章愛欲の第1偈を引用します。

「愛欲よ。わたしは汝の本(もと)を知っている。愛欲よ。汝は思いから生じる。わたしは汝のことを思わないであろう。そうすれば、わたしにとって汝はもはや現れないであろう。」

愛欲、すなわち物を欲しがる気持ちは外部刺激によって生じると考えられがちですが、ここでは愛欲は思いから生じると述べられています。

そして、あれこれ考えて心が乱れると、愛欲は愛執になり、増大すると述べています。

ですから、「愛執をすっかり断ち切ったった修行者」とは、あれこれ考えることをやめて、心を乱すことがなく、愛欲を思わず、物を欲しがる気持ちがなくなっているのです。

そのような修行者は、こちらの岸を捨て去って、ニルヴァーナを楽しんでいるのです。


この偈を以て、「第18章 花」が終わります。



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