感興のことば(ウダーナヴァルガ) 第19章 馬 8偈

8 何となれば、その人はその乗物によってはその境地(=ニルヴァーナ)に達することができない。おのれ自らをよくととのえてこそ、速やかに静けき境地におもむくのである。 
 
(ダンマパダ323 何となれば、これらの乗物によっては未到の地(ニルヴァーナ)に行くことはできない。そこへは、慎しみある人が、おのれ自らをよくととのえておもむく。)

(中村元訳「ブッダの真理のことば・感興のことば」岩波文庫より引用しました。)


*法津如来のコメント
この8偈は、7偈の根拠です。7偈は次の通りです。

「7 この世で騾馬を馴らしたら良い。インダス河のほとりの血統よき馬を馴らすのも良い。クンジャラという名の大きな象を馴らすのも良い。しかし自己(おのれ)をととのえた人はそれらよりもすぐれている。」

すなわち、調教したラバや血統の良い馬や大きな象は、良い乗物になるが、安らぎの境地(=ニルヴァーナ)に運ぶことができないのに対し、「おのれ自らをよくととのえること」で、おのれをニルヴァーナに運んでくれる。それ故に、「自己(おのれ)をととのえた人はそれらよりもすぐれている。」ということです。

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尚、以下の8A 偈 から12偈まで、同様の趣旨の偈が繰り返されいますので、これらのコメントは省略します。

8A (訳すと7に同じ)

8B 何となれば、その人はその乗物によってはその境地(=ニルヴァーナ)に達することができないであろう。おのれ自らをよくととのえて、迷いのうちにありながら苦しみの彼岸(かなた)におもむくのである。

8C (訳文は7に同じ)

9 何となれば、その人はその乗物によってはその境地(=ニルヴァーナ)に達することができない。おのれ自らをよくととのえて一切の苦難を捨て去る。

9A (訳文は7に同じ)

10 何となれば、その人はその乗物によってはその境地(=ニルヴァーナ)に達することができない。おのれ自らをよくととのえて一切の束縛の絆(きずな)を断ち切る。

10A (7に同じ)

11 何となれば、その人はその乗物によってはその境地(=ニルヴァーナ)に達することができない。おのれ自らをよくととのえて一切の苦しみから脱れる。

11A (7に同じ)

11B 何となれば、その人はその乗物によってはその境地(=ニルヴァーナ)に達することができない。おのれ自らをよくととのえて一切の繁栄を捨て去る。

11C (7に同じ)

12 何となれば、その人はその乗物によってはその境地(=ニルヴァーナ)に達することができない。おのれ自らをよくととのえたならば、かれは安らぎ(ニルヴァーナ)の近くにある。


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