感興のことば(ウダーナヴァルガ) 第20章 怒り 10偈、11偈、12偈

10 他人が怒ったのを知って、それについて自(みずか)ら静かにしているならば、その人は、自分をも他人をも大きな危険から守ったことになる。

11 他人が怒ったのを知って、それについて自(みずか)ら静かにしているならば、その人は、自分と他人と両者のためになることを行っているのである。

12 自分と他人と両者のためになることを行っている人を、「弱い奴だ」と愚人は考える。___ことわりを省察することもなく。

(中村元訳「ブッダの真理のことば・感興のことば」岩波文庫より引用しました。)


*法津如来のコメント

他人が怒ったのに反応して、それに対して怒り返すのが世間の反応であります。

最近話題になっている車の運転における「あおり」の問題も、何かの切っ掛けであおりを受けたのに対して、反応するから事件になりますが、あおりを受けても、冷静に対応して、相手をやり過ごせば問題にならないのです。

すでに述べましたように、怒りは毒の根でありますから、自分の体を害し、回りの人々を不愉快にし、来世には地獄などの悪所に生まれ変わる原因になります。

他人が怒ったのを知っ他のならば、その怒りに対して、怒りで反応せずに、自(みずか)ら静かにしているならば、自分を怒りから守ることになります。また他人の怒りを増幅せずに、怒りを静めることになりますから、その人は、怒りの危険から自分も他人も守ったことになります。またそのことは自分にも他人にも、ためになることをしているのです。

怒りに対して、怒りで返さないことを、世間(愚者)は勇気がないと考えますが、それはとんでもない間違いで、そのような行為はただ反応するだけの虫けらのようなな行為なのです。

怒りに対して、冷静でいることは、智慧ある勇者だけができる行為なのです。



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