#感興のことば(#ウダーナヴァルガ) 第33章 バラモン 73偈

73 もしもバラモンが自分のつとめに関して彼岸に達した(=完全になった)ときには、かれは生まれと老いと死とを超えるであろう。

(中村元訳「ブッダの真理のことば・感興のことば」岩波文庫より引用しました。)
 

*法津如来のコメント

ブッダは、人生の苦しみは、生まれること、老いること、死ぬことであると説かれておられます。

生まれることが苦しみであることは、わかりにくいかもしれません。そこで、ある人は赤ん坊が狭い産道を通るときが苦しいのだと言います。それもありますが、それ以上に、生まれるとそれからの人生で多くの苦しみが待っているということです。

青春時代は夢や希望ばかりではありません。その裏には、不安や挫折、絶望などがあります。壮年時代には、労働、責任、人間関係、ストレス、病気などがあります。すぐに高齢、後期高齢が待っています。それらは苦しみであり、恐怖なのです。

老いることが苦しみであることは、誰もがよくわかるでしょう。老いると身体のあちらこちらが弱くなって、痛みも現れもあらわれます。身体だけではなく、心も弱くなり、もの忘れなどもはじまります。死が近づいているのを感じるのです。それらは苦しみであり恐怖なのです。

「かれは生まれと老いと死とを超えるであろう。」とは、どういうことでしょうか?

解脱した彼は、凡夫が苦しみや恐怖と感じる生まれと老いと死に対して、苦しみとは感じないし、恐怖と感じないないということです。むしろ、楽しみと感じ、喜びと感じるのです。

それは解脱すればわかりますが、苦しみや恐怖は、真実を知らせる鈴の音のように思えるのです。それは楽しみです。そして、それらの真実がわかった時は、喜びであり、満足なのです。