石法如来の特別寄稿:「穏やかな死」と医療問題(その6)

日本の医療は、「市場原理」に委ねられておりシステム的にそれが全て悪いとは言えません。ただ、現在の日本のような緊急事態下において全く力が発揮されないのという状態は大きな問題です。
 
日常、私たちは自分自身の健康を守るために医療に色々お世話になっていますが、私は病院の医療行為に対して懐疑的な意見を持っています。
その事案を示すような文章がありますので引用します。(以下、引用)
 
「「医者は治療をすすめる」これは永遠に変わらない。
中村・・しかし人の意識ってなかなか変わらないですよね。
近藤・・10年のスパンじゃなかなか変わらないけど、30年後、50年後にどうなっているか。ただ「医者は治療をすすめる」。これは永遠に変わらないと思いますよ。そうしないと自分の食いぶちがなくなっちゃうんですから。本気で医療を信じている医者は、知識がないか、そう思い込みたいんでしょうね。
 
中村・・医療は素晴らしいものだって信じないと、つまらなくなっちゃうから考えないようにするんです。変な情報に毒されないように、接しないようにして。
近藤・・そうじゃないと医者としての迫力も、説得力も、なくなりますからね。
中村・・そうそう、不思議なもので、本人が信じてると言い方ひとつでも、ものすごく迫力があるでしょう。患者はその迫力に「ハハ~ッ」となっちゃう。
 
近藤・・新興宗教の教祖みたいなもので。
中村・・ぼくらみたいな医者は、迫力ないから患者にとっては不幸だ(笑い)。
 
近藤・・それにしても健診・検診は病人を作りだす、実にすぐれたシステムですよ。がん検診には意味がない、というデータが山ほどあるのに有効だと言い張ってがん健診を推進している。
医者の数はどんどん増えているけど、医療を必要とする患者さんの数は、そう増えない。だから、元気で、ごはんもうまいと思っている健康な人から病気を見つけ出そうとするんです。「ちゃんとがん対策をやっているように見せたい」という行政の思惑もあって。
 
中村・・行政がからんでいるから、事業所へはやかましく言いますよね。健診を受ける従業員のパーセンテージが低かったら、老人への拠出金が増えるとかあるから。
まあ、抗がん剤で治るがんもないわけではないから、早すぎる死を防がなきゃいけない繁殖期の人間はしょうがないでしょうけどね。
 
近藤・・しかし医学的には、働き盛りの人も健診を受けない方が長生きするんですよ。一例を上げると、フィンランドで境遇の似た中年男性を最初の5年間、600人は健診を受けさせて、体重、血圧、血糖値、コレステロールなどをぜんぶ理想の数値になるように管理して、別の600人を自由にさせた。すると15年後、健診組のほうが病死、事故死、自殺とも多かったというデータがあります。
原因は管理のストレスや、薬害ではないかと言われています。」(以上、『どうせ死ぬなら「がん」がいい』中村仁一・近藤誠共著・宝島社新書・114頁から116頁引用)
 
この会話のような出来事は、日本中の医療現場で実際に行われていると考えたほうが良さそうです。森田洋之医師も著書の中で、「集患」(しゅうかん・病院の利益確保のために患者をあつめる)が病院では当然のように行われていると書いています。
 
その中で、「集患」の対象となるのは高齢者だ・・・と。高齢者は、複数の疾患を抱え次第に要介護状態になり、最終的には死に至るからです。
本人の状態や思い・家族の介護力など総合的な判断で治療方針は決まると一般論では言いますが、医療・介護の素人である患者側の発言力は弱く、医師をはじめとした医療・介護従事者の判断が優先されがちになるのは事実です。
 
医者から、「この病気には、この治療が必要なのです」などと言われたらそれを拒否できる人は少ないでしょう。そう考えたら、病院・医者優位でこれほど「収益確保」がしやすい業界はほかにないと言えるのです。


*法津如来のコメント

まったく、この通りです。

私の鼻の下の小さなおできを、それは食べ過ぎですと診断してくれる医者は日本に何人いるでしょうか?

そう言ってくれる医者がいれば、その医者は間違いなく名医です。