食べ過ぎ(大食)

食べ過ぎ(大食)について、ゴータマ・ブッダが述べたことを、増谷文雄編訳「阿含経典2」(ちくま学芸文庫)409p〜410p から引用します。

(以下引用)
大食

かようにわたしは聞いた。

ある時、世尊は、サーヴァッティーのジェータ林なるアナータピンディカの園にましました。

そのころ、コーサラ国のパセナーディ王は、1ドーナ(大量の単位)の飲食を食することをつねとしておった。

そして、その時、コーサラ国のパセナーディ王は、食事を終わったばかりで、大息をつきながら世尊を訪ねられた。訪ねると、世尊を礼拝して、その傍らに坐した。

すると、世尊は、そのコーサラ国のパセナーディ王が、食事を終わったばかりで、大息をついている姿を見て、その時、つぎのような偈を歌いたもうた。

「人はつねにみずから懸念して
 量を知って食をとるがよい
 さすれば、苦しむことすくなく
 老いゆることおそく、寿を保たん」

その時、ウッタラという少年が、コーサラ国のパセナーディ王のうしろに立っていた。すると、パセナーディ王は、その少年をかえりみていった。

「ウッタラよ、汝は、世尊のいまの偈を諳(そら)んじて、わたしの食事の時にいつも誦するがよい。そうすれば、わたしは、毎日百銭ずつ汝に与えるであろう」

「大王よ、かしこまりました」

ウッタラはそのように答えた。そして、世尊のその偈を諳んじ、それからは、王の食事のたびにその偈を唱えた。

「人はつねにみずから懸念して
 量を知って食をとるがよい
 さすれば、苦しむことすくなく
 老いゆることおそく、寿を保たん」

かくて、パセナーディ王は、しだいに1ナーリ(少量の単位)の飲食にて満足するようになった。

かくて、パセナーディ王は、しだいに身体もすこやかとなり、ある時のこと、その手をもってその身体を撫しながら、歓喜の声をあげていった。

「まことに、世尊は、二つの利益をもってわたしを恵みたもうた。わたし、世尊によって、現在の利益と、未来の利益とをうることができた」
(以上引用)

その他、ダンマパダ185偈には次のように、食事に関する注意が述べられています。

「罵らず、害わず、戒律に関しておのれを守り、食事に関して(適当な)量を知り、淋しいところにひとり臥し、坐し、心に関することにつとめはげむ。___これがもろもろのブッダの教えである。」(中村元訳)