木内昇氏の東京新聞の連続小説「かたばみ」の中から

昨日は、第49回衆院選挙投票日でした。

選挙というものは、人が改めてものを考えるのに良い機会になりますので、重要です。

しかし、それが争いのもとになってはいけません。

また、その結果というものは、なかなか面白いものです。

人々の集合意識を反映しているからです。

自分の好みや期待があっても、そのようになる場合もありますが、そのようにはいかない場合もあります。

しかし、それが今の現実なのです。

たとえそれにインチキがあっても、それを含めて現実です。

さて、今日は以前紹介した木内昇氏の東京新聞の連続小説「かたばみ」の中から10月30日の文章を引用します。

(前略)

あなたがたは少国民である前に、すでにひとりの立派な人間です。

これからいくらだって未来を創っていける人間なんです。

人というのは、ひとりとして同じではありません。

ですから、みんなと同じように考え、行動することは、必ずしもいいこととは言えないのです。

本当は誰しも、自分が心から思ったこと、感じたことを大切にして、生きていく権利があるのです。

他の誰にも真似(まね)できないことをして、人生を存分に楽しむ権利があるのです。

なにも、大人が決めたことに、黙って従う謂(い)われはありません」

吉川は静かに、だが確かな声で告げたのだ。

(後略)

注:吉川とは、戦況の悪化した昭和19年の教師です。

この吉川先生の言葉は、令和3年の生徒だけでなく、大人にも通用する言葉です。