89.七覚支に従って正しく心を善く育て

ダンマパダ 第6 賢者の章 89

阿羅漢であり正自覚者であり福運に満ちた世尊に敬礼致します



菩提の部分それぞれに
心が正しく修習され
捉われ執することがなく
無執着を楽しむ者らは
煩悩が尽き、光輝あり
世界において寂静となる


(片山一良先生 訳)


〇超訳の試み

七覚支に従って
正しく心を善く育て
執着を捨て去って
無執着を楽しみ
光輝く滅尽者たちは
この世で完全な涅槃に入る


〇子供のためのダンマパダ

涅槃には七つの山を越えて行く
気づきの山と深い理解の山
努力の山と喜びの山と
楽ちんの山と集中力の山
最後は全部を捨ててた山
そして最高、最善、最終目標に到達する





〇一口メモ

 片山先生の訳文の「菩提の部分それぞれに」は「七覚支」を意味します。

 前回の「この詩から学ぶこと」を再掲載いたします。以下引用。

 今回の詩は、「賢者の章」の最後になりますから、章のまとめです。はじめに七覚支という言葉が出てきます。パーリ語の原文では「七」という語はないのですが、覚支と言えば、七覚支と言う修行法なのです。

 また、新しい修行法が出てきて、頭が混乱すると方もいると思いますが、仏教の実践方法の基本は八正道です。その八正道を実践するために、その人に合ったいろいろな修行法があるのです。ですから、八正道と別のものと考えない方がよいのです。また、七覚支は悟りの七つの部分であると同時に、修行の段階でもあるのです。具体的に話しをしましょう。

1.念覚支:身体、感覚、心、法則を観察することです。八正道の正念とその完成形です。

2.択法覚支:身体、感覚、心、法則を観察して、昨日述べた黒い行為を捨てて、白い行為を選択することです。八正道の正思、正語、正業のそれぞれの完成形です。

3.精進覚支: 念覚支、 択法覚支の修行を努力することです。八正道の正精進の完成形です。

4、喜覚支:念覚支、 択法覚支、 精進覚支の修行の努力の後に、喜びが生まれます。マラソンを完走したり、登山で頂上に到達した時の喜びに似てますが、それとは少し異なります。欲や怒りがなくる時に生まれる精神的な喜びなのです。

5.軽安覚支:心身が軽やかになり、リラックスしてくる。 喜覚支は少し興奮している状態ですが、何度か 喜覚支を経験すると、落ち着いて 軽安覚支を経験すると言われます。この状態になれば楽に 念覚支、 択法覚支が実践できるのです。

6.定覚支: 軽安覚支を経験した人には、安定した集中力が現れます。そのため、現象の実相が洞察できるようになるのです。ここまでの過程で、人格も変わる、見方も変わります。八正道の正定の完成形です。

7.捨覚支: 定覚支が確立すると、善いことがあっても、悪いことがあっても動じない、感情がない状態、何事も公平で平等に見ることができる心になります。

 七覚支の2番から7番については、具体的によく分からなくとも、大丈夫です。1番の念覚支、正念を真剣に実践すると、自然に2番、3番と進むようになっているからです。1番をやらないで2番はないのです。しかし、参考図書を紹介します。スマナサーラ長老著「ついに悟りをひらく・・・七覚支瞑想法(国書刊行会)」

 その本の最後から、少し修正して引用します。「 捨覚支の状態になっても、その人には念覚支がずっとあるのですから、 択法覚支もあるし、 精進覚支もあるし、 喜覚支もあるし、 軽安覚支あるし、 定覚支もあるし、 捨覚支もある。捨覚支までそろったとき、そのとき瞬時に悟りの世界に入るのです。」ということです。

 賢者は七覚支に従って、正しく心を育て、悟りの世界に入るのですから、「執着を捨て去って
無執着を楽しみ この世で完全な涅槃に入る」のです。

 以上、引用終わり。

 「子供のためのダンマパダ」では、七つの山の向こうに涅槃があると表現しましたが、それはそれでよいのですが、一つ一つの山が覚りの構成要素であると教えられています。ですから、覚りにはすべての山が必要なのだと理解すべきなのです。しかし、先ずは念覚支に取り組めばいいのですから、あまり先のことを心配する必要ないのです。そして、修行が途中で行き詰っても、日々の修行は念覚支から始めるのでいろいろ心配する必要はありません。



〇パーリ(語)原文

89.
イェーサン サンボーディヤンゲース
Yesaṃ     sambodhiyaṅgesu,
所のもの   等覚支において
サンマー チッタン スバーウィタン
sammā   cittaṃ   subhāvitaṃ;
正しく   心は   よく修せられる
アーダーナパティニッサッゲー
Ādānapaṭinissagge,
取著の捨離において
アヌパーダーヤ イェー  ラター
anupādāya      ye    ratā;
執着なく      それを 楽しむ者は
キーナーサワー ジュティマントー
Khīṇāsavā      jutimanto,
煩悩の滅尽者は  光輝き 
テー  ローケー パリニッブター
te     loke     parinibbutā.
彼らは この世で  完全な涅槃に入る

〇今回の詩のパーリ語について、日本テーラワーダ仏教協会のホームページに「ダンマパダ輪読会 文法事項のまとめ( 記録文責;柴田尚武 先生 )」がありますので是非御参照下さい。
http://www.j-theravada.net/sakhi/Dhp87-99.pdf


~生きとし生けるものが幸せでありますように~
~生きとし生けるものの悩み苦しみがなくなりますように~
~生きとし生けるものの願いごとが叶えられますように~
~生きとし生けるものに悟りの光が現れますように~


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■最寄駅 東京メトロ後楽園駅 4bまたは5番出口 徒歩3分/都営地下鉄春日駅(連絡通路)徒歩3分
■参加費 無料(ご喜捨)※予約は必要ありません
■主催・問合せ 日本テーラワーダ仏教協会
Tel: 03-5738-5526 Mail: info@j-theravada.net

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